再生可能エネルギーと農業の共存を実現する新プロジェクト

静岡県での新たな取り組み

静岡県茶畑で営農型太陽光発電所が開発され、野村不動産と茶畑ソーラー合同会社がウィンウィンの関係を築こうとしています。このプロジェクトは、環境に配慮しながら地域農業を持続可能にすることを目指しています。

1. 営農型太陽光発電とは

営農型太陽光発電とは、農業を行いながら同時に太陽光発電を行うシステムのことです。具体的には、茶畑の上に太陽光パネルを設置し、その下で茶葉を栽培します。この方法により、電力を生産するだけでなく、農業の生産性も向上させることが期待されています。

今回のプロジェクトでは、茶畑ソーラー合同会社が設置する発電所の出力は1.8MW（DC）で、一般家庭約550世帯分の電力を賄うことができます。野村不動産はこの発電所から得られる再生可能エネルギーの環境価値をバーチャルPPA契約で全量購入します。この契約によって、収益の一部が地域の営農者に還元され、地域経済の活性化が図れるのです。

2. クリーンエネルギーの重要性

日本では、再生可能エネルギーの利用がますます重要とされています。特に、温暖化対策としての脱炭素社会の実現が求められており、このプロジェクトもその一環です。バーチャルPPA契約によって、企業が新たな再生可能エネルギーを促進する動きが強まります。

本契約によって新たに生まれる電力は、追加性があり、よりクリーンな電力供給の実現に向けた新たな試みと評価されています。

3. 茶産業の現状と課題

近年、静岡県の茶産業は様々な課題に直面しています。国内の煎茶消費量が減少し、価格が低下する一方、生産農家の高齢化が進んでいます。このため、離農や耕作放棄地が増加するなどの問題が顕在化しています。また、海外市場での抹茶需要は旺盛ですが、国内市場での生産者数は減ってきています。

この状況を打開するため、茶畑ソーラー合同会社は営農を支援し、生産者の所得向上を図ります。地域農業と再生可能エネルギーの共存が求められています。

4. 各社の役割

このプロジェクトには、複数の企業が参加しています。野村不動産は、2050年に向けたサステナビリティポリシーに基づき、低炭素化と省エネを進めています。JA三井リースグループは持続可能な社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの領域を拡大しています。農林中央金庫は地域環境や社会の持続的発展を目指し、流通サービスは安心・安全なお茶を世界に届ける活動を行っています。そしてTEA ENERGYは、新たなエネルギーソリューションを提供し、地域経済の活性化を図っています。