2026年の自動車業界を見据えたQNXの取り組みと新たなトレンド
2026年の自動車業界を見据えたQNXの取り組みと新たなトレンド
新年が明け、自動車業界はまた一歩未来へと進もうとしています。2025年を経て、QNX Japanの松岡秀樹カントリーセールスディレクターは、今後の展開に期待を寄せています。特に、ソフトウェア定義型車両(SDV)の普及は、自動車業界における大きな節目となっており、今後に向けた変革が不可欠です。
1. SDVと日本のモビリティDX戦略
2025年には、経済産業省が「モビリティDX戦略」を発表しました。この戦略には、2030年及び2035年までにSDVの世界販売台数において「日系シェア3割」を目指すという目標が設定されています。このように、日本の自動車メーカーは、OTA対応の拡大やソフトウェア子会社の設立を進め、変革に取り組んでいます。しかし、これに伴い色々な課題も浮かび上がっています。QNXの調査によれば、日本の開発者の多くが、生産性や開発サイクルに対する不満を抱えており、その解決が急務とされています。
2. アプリケーション層へのシフト
最近のトレンドとして、OEMはアプリケーション層へのシフトを進めています。インフラ構築から価値創造のフェーズへと進化しており、具体的には、QNXとVectorが共同開発した「Foundational Vehicle Software Platform」がその一例です。日本の車両開発者の78%が、アプリケーション層への注力を支持しており、業界全体での認識も高まっています。ただ、依然として生産性に満足しているのは14%と少なく、改善が求められています。
3. HPCを基盤とした安全でスケーラブルなアーキテクチャ
AIや機械学習の進化とともに、高性能演算システム(HPC)が自動車の基盤アーキテクチャに定着しつつあります。リアルタイム処理や安全性が求められる中、その重要性が増しています。特に、日本の開発者の42%が「機能安全への対応が最も困難」と回答していることから、安全性を担保した基盤の必要性が高いと言えます。
4. 協働エコシステムの重要性
自動車のSDV化が進む中、単独企業での開発は難しくなっています。QNXの調査によると、83%の開発者は業界横断的な協働が「不可欠」と認識していますが、実際に協働している企業は33%と低い水準です。これにより、文化的な障壁を乗り越えるための協働モデルが必要とされるのです。
5. 自動車以外の産業への展開
自動車業界で確立されたソフトウェア定義型アーキテクチャは、医療機器やロボティクスなど他の分野への応用が進んでいます。日本企業がこれらの領域で技術的優位性を発揮するチャンスが広がっています。
2025年のQNXの成果も振り返り
2025年には、QNXはVectorやTTTech AutoとFVSP(基盤ソフトウェアプラットフォーム)の共同開発を進めました。このような取り組みは、2026年に向けた基盤整備に繋がり、さらなる課題の解決を目指しています。
2026年に向けたQNXの戦略
2026年、QNXは以下の点を重点的に進める計画です。1つ目は、QNX Everywhereイニシアチブの強化です。お客様のニーズに応えるため、高度なスキルを有する開発者仲間を育て、OEMへの人材確保を促進します。2つ目は、より広範な組み込み市場での事業拡大です。特に商用車や産業オートメーションなど、ミッションクリティカルな環境へ進出を図ります。最後に、FVSPを活用し、自動車メーカーが独自のアプリケーション開発に専念できる環境を提供します。これにより、OEMは顧客に価値をもたらす製品とサービスを届けることが可能となります。
確かな基盤を通じて、自動車業界と共に新たな価値創造を目指して、2026年もQNXは全力で取り組んでまいります。