ヨーグルトのおいしさを香りから探る
株式会社明治が、ヨーグルトのおいしさに関する新たな研究成果を発表しました。この研究は、ヨーグルトの香り成分の変化をリアルタイムで測定し、食べる際の香り立ちを詳しく解析するものです。2025年3月、札幌で開催される日本農芸化学会においてその成果が披露される予定です。
研究の背景と目的
明治が展開する「明治ブルガリアヨーグルト」シリーズは、酸味とミルキーな風味が特徴で、開発以来多くの人々に支持され続けています。今年の12月に発売50周年を迎えるにあたり、自社製品の「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン」が持つ健康価値だけでなく、そのおいしさに着目することを目指しました。この研究は、ヨーグルトの香りがどのように知覚され、おいしさに寄与しているのかを明らかにすることを目的としています。
研究手法
この研究では、香りの分析手法であるGas Chromatography-Olfactometry(GC-O)とSelected-ion flow-tube mass spectrometry(SIFT-MS)を用いて、ヨーグルト開封時からの香気成分をリアルタイムで測定しました。特に、パッケージを開けた瞬間から口に入れた直後、そして咀嚼中の香りの変化を3段階に分けて解析しました。
開封時には、アセトアルデヒドが青りんごのような爽やかな香りを提供し、口に含むとその香りが感じられることが確認されました。その後の咀嚼中には、アセトインのクリーミーな発酵香や、酪酸によるミルクの風味が強まるといった変化を観察しました。
結果と考察
独自に開発した実験装置を通じて、口の中での温度変化や混ぜ合わせが香気成分に与える影響を測定しました。その結果、香気成分は口に入れた時の条件によっても大きく変化することが示されました。具体的には、咀嚼することによって香りのバランスが変わり、時間の経過とともに新しい香りが感じられることがわかりました。
臨床結果
さらに、TDS(Temporal Dominance of Sensation)を用いて風味の変化も測定しました。この結果、初めはさわやかな酸味を感じ、その後 gradual なミルク風味へと移行することが確認されました。この研究により、ヨーグルトの香りが食べる楽しさを高める要因であることが示され、消費者にとってのヨーグルトの魅力を増すことが期待されています。
今後の展望
明治では、この研究成果を基に、ヨーグルトの香りを更に向上させ、お客様にその魅力をわかりやすく提供したいと考えています。生活の中で豊かな香りとともに、さらに美味しさを感じられるヨーグルトを楽しんでいただけるよう、今後も改良を続けていきます。ヨーグルトが持つ可能性を追求し、毎日の食卓に新しい風を吹き込むことを目指します。