I.W.Gが医療データ相互運用性の新たな扉を開く、180万ドルを資金調達
I.W.G Inc.、医療データの相互運用性を進化させる
2026年6月2日、東京に本社を置くI.W.G Inc.が、医療分野でのデータの相互運用性を実現するために、プレシリーズAラウンドで180万ドル(約2.8億円)の資金を調達しました。今回の資金は、Golden Gate Venturesがリード投資家を務め、既存投資家のAntlerも参加しています。この調達は、Golden Gate Venturesが日本において初めて手がける投資案件となります。
医療機関の抱えるデータの分断
アジア全体では、医療機関のシステムが互いに連携しにくいという、いわゆる「レガシーシステム」の課題があります。このため、紹介状のやり取りや患者受け入れ調整が遅れがちであり、医療サービスの円滑な提供が妨げられています。データ自体は存在していても、フォーマットやシステム、言語の壁が障害となっています。
市場調査によると、医療の相互運用性ソリューション市場は2024年の39億ドルから2034年には147億ドルにまで成長する見込みで、その中でもアジア太平洋地域は急成長が期待されています。とはいえ、多くの医療機関でデジタル化の進捗が異なり、データ連携が求められる状況です。また、これはAI導入の複雑さにも関連してきます。
I.W.Gの革新技術
I.W.Gのプラットフォームは、医療データの連携をシームレスに行える新しいアプローチを取っています。これにより、病院やクリニック、保険会社などが複雑なハードウェアや高額なカスタム開発を必要とせずに利用できる仕組みが整いました。多様なデータフォーマット(PDF、XML、HL7、DICOMなど)に対応し、既存のシステムやプロセスをそのまま利用しつつ、必要に応じてデータの変換を自動で行います。
具体的には、I.W.Gが開発した「AIリファラルエージェント」が、届いたドキュメントの内容を理解し、受信側の医療機関が要求するフォーマットに変換します。このインフラにより、医療現場の仕事がさらに効率的になることでしょう。これに加えて、紹介状に含まれる情報と臨床ガイドライン自体を自動的に照合する機能も開発が進められています。
上場に向けた成長戦略
I.W.Gは、日本や中国、シンガポール、インドネシアの地域病院やクリニックと提携しており、今後もそのネットワークを拡大する方針です。また、海外での健康診断をサポートする企業や保険会社からも需要が高まっており、市場のニーズに応えるための体制を整えています。
同社のCEO、Xiaoyan Zhou(シユウ・ギョウケン)氏は、医療機関が直面している情報の分断を解消することこそが使命であると語っています。既存のシステムを踏まえ、摩擦なく情報を流通させることを目指しているのです。
期待される効果
佐藤俊彦医師は、I.W.Gのシステムが医療現場においてデータを効果的に運用する手助けをすると期待を寄せています。この医療データの共有化が進むことで、医療の質が向上し、患者に対するサービスが一層充実することが期待されます。
会社概要
I.W.G Inc.は、東京を基盤に持ち、アジアにおける医療データの相互運用性を実現するAIインフラを開発しているヘルステック企業です。同社は、病院、クリニック、保険会社、医療パートナーが大規模なシステム変更をせずに、互換性のないシステムやデータ形式を越えて医療データを連携できる環境を構築しています。