20代が歓迎する金融アプリのプッシュ通知事情と課題に迫る
株式会社アイリッジが実施した「スマートフォンアプリのプッシュ通知に関する調査」から、20代のユーザーが金融系アプリに感じている期待と苦痛が見えました。調査では、全国の老若男女4,121名からのデータを集め、特にプッシュ通知の受信状況やその体験に焦点を当てました。調査対象から399名を抽出し、さらに詳細な状況を分析しました。
調査結果の概要
調査結果の中でも特に注目が集まったのは、プッシュ通知を受信するアプリのランキングです。金融系アプリでは、「楽天銀行」が最も受信率が高く、ポイント系では「dポイントクラブ」、小売業においては「イオンお買い物」が選ばれました。また、ドラッグストアでは「マツキヨココカラ」が受信数を伸ばしています。
興味深いのは、20代の若年層における金融アプリのプッシュ通知許可率が非常に高く、ほぼ半数に達するという点です。特に、ネットバンキングやアプリの利用が盛んな世代であることが、この結果に影響していると推測されます。
ユーザーの反応とオフ理由
三つの業種(金融系、ポイント系、小売系)において、プッシュ通知をオフにする理由には年代による違いが顕著に表れました。全体として7割以上の人がオフ経験を持っており、20代ではその割合が9割に達します。中高年層は「配信頻度の多さ」を理由に挙げる一方で、20代は「受け取る内容の不満」がその理由になることが多いです。
特に注目されるのは、10代や20代のユーザーが、通知の内容が自分に必要な情報であるかどうかを重視している点です。この世代が配信頻度よりも内容に敏感であることが、アプリ運営者にとっての課題となっています。
企業への提言
調査結果から見えてくるのは、アプリ利用者の期待が高まる一方で、企業はそのニーズに応えきれていないという現実です。特に若年層向けのプッシュ通知施策を考える際は、配信内容をいかに工夫し、適した時間帯に提供できるかがカギとなるでしょう。
また、調査の中で「必要なアプリだけを入れる」という態度変容が見られ、これまでの「余裕をもってダウンロードする」という考えからシフトしています。ユーザーの期待に応えるためには、アプリの機能やプッシュ通知の内容を厳選することが求められています。
最後に
アプリ市場は競争が激化しており、特にユーザーとの接点であるプッシュ通知の役割はますます重要になっています。アイリッジとしては、企業に対し効果的なアプリ開発やUI/UXの支援を行い、お客さまのビジネスの成長に寄与していく所存です。
この調査結果は、プッシュ通知における期待する内容や施策に対する配慮点が世代によって異なることを示しています。今後のアプリ戦略においては、こうしたインサイトをしっかりと反映させる必要があります。