企画展「Literature in Dots」について
東京・表参道に位置するYUGEN Galleryが、2025年5月16日(金)から6月1日(日)の期間に、ゲームの文学性をテーマにした展覧会「Literature in Dots」を開催します。この企画展は、現代アーティストによるゲーム表現の再考を促進することを目的に、SOUYA HANDA PROJECTSとの共同プロジェクトとして実現されました。展覧会のキュレーションは、同プロジェクトの主宰である半田颯哉が手掛けています。
ゲームと文学の交差点
近年、ビデオゲームはオンライン化が進み、プレイヤー間のコミュニケーションはボイスチャットなどのリアルタイムなやりとりが主流となっています。しかし、かつてのゲーム体験においては、ゲームを挟む言葉や感情のやり取りが存在し、それが文学的な側面を持っていました。本展では、そうした“読む/語る”行為に根差した文学的な関係性に注目し、ゲームに内在する語りかけの可能性を探ります。
本展のタイトルである「Literature in Dots」は、アーティストたちがどのようにゲームと文学を結びつけるのかを示唆しています。参加アーティストは、植田爽介、海沼ちあき、アダム・マーティン、半田颯哉の4名で、それぞれが独自の視点から作品を展開します。
出展アーティストの紹介
植田爽介
植田は版画を主体に、地図や電子基板をモチーフにした作品を制作しています。展覧会では、ゲームの中で見られるドット表現と、日本の洛中洛外図屏風などの美術の間に共通するパースや省略表現を見出し、ゲーム内外の世界をつなげる試みを行います。
海沼ちあき
海沼はユーモア溢れるコラージュ作品を通じて社会の構造を批評します。本展では、アメリカの大統領選挙や株価チャートを陣取りゲームやダンスゲームの形式で展開し、「Game Over」の演出を用いて、混迷する現代社会を可視化します。
アダム・マーティン
ニューヨーク在住のアダムは、ビジュアルノベル形式で実体験とフィクションを交差させた新たな物語を作り出します。1990年代から2000年代のノベルゲーム文化に触発された彼の作品は、アートとゲームの境界を越えたものです。
半田颯哉
半田自身もアーティストであり、ゲーマーに必要なハードウェア、特にGPUに焦点を当てた作品を発表します。AIや仮想通貨の経済的影響を背景に、ゲームが現実世界とどのように結びついているのかを問いかけています。
展覧会の開催概要
「Literature in Dots」は、当ギャラリーの開館時間に多数の訪問者を受け入れる予定です。平日は13:00から19:00、週末は13:00から20:00まで開放され、初日の5月16日には18:00から20:00までオープニングレセプションが開催されます。この時にはアーティストも在廊予定で、直接作品についてお話しする貴重な機会となるでしょう。
入場は無料で、各アーティストによる作品もYUGEN Galleryの公式オンラインストアで購入が可能です。さらに、各アーティストの魅力的な経歴とその作品がどのように展覧会に結実したのかを知るチャンスでもあります。
最後に
「Literature in Dots」は、単なるアート展にとどまらず、ビデオゲームという媒介を通じて文学的な対話を生み出し、我々の記憶や感情を呼び起こす新たな試みです。現代社会におけるゲーミングカルチャーの魅力を再認識する良い機会となることでしょう。ぜひ足を運んでみてください。
詳細は
YUGEN Galleryの公式サイトをご覧ください。