生成AIの全社導入が進展、利用実態調査から浮かび上がる課題と展望

2024年11月28日と12月9日に開催された生成AIに関するセミナーで、株式会社エクサウィザーズのグループ会社であるExa Enterprise AIが実施した「生成AIの利用実態調査」が話題を呼んでいます。本調査では、262社310人から回答を得ており、これまでの調査結果と比較して全社での生成AI導入が約6割に達したことが明らかになりました。この数字からは、企業がデジタル変革を進める中で生成AIの導入が本格化していることが浮かび上がります。

全社導入の現状

調査結果によれば、全社導入を行う企業は約60%に達しており、特に組織内での利用率が上昇しています。特に「8割程度の社員が利用している」との回答が2割に達し、生成AIの利用が広がっています。これにより、多くの企業が生成AIを業務に取り入れ、その効果を実感するようになっています。各部署の生産性向上が期待され、今後もこの流れは続くことでしょう。

RAGの取組状況

さらに、RAG（Retrieval Augmented Generation）への取り組みも注目されており、5割以上の企業が導入を進めていると回答しています。RAGは自社のデータを生成AIで加工、分析することで、より精度の高い成果が期待できる技術です。特に個人の活用レベルで差が見られ、利用レベルが高いユーザーでは早くも成果を出し始める一方、未着手の状態にある企業も存在します。この状況から、RAGの普及はあらゆる企業の課題解決に寄与する可能性を秘めていますが、活用を進める上でのサポートが欠かせないといえます。

AIエージェントへの関心

また、調査では自律的に稼働する「AIエージェント」への関心も高いことが分かりました。約5割の回答者が関心を示しており、特に生成AIの利用レベルが高い人々からの支持が強いようです。AIエージェントは、設定した目標に基づいて自動で行動するAIであり、多くの企業において業務効率化の切り札となることでしょう。セミナーでは、このAIエージェントを活用した新たなビジネスモデルの構築も議論される予定です。

調査結果を受けてのコメント

Exa Enterprise AIの代表取締役、大植択真氏は、「生成AIの導入が進む中、企業におけるサービスの拡充が必要であると感じています。特にRAGに関しては、取り組み開始までに一定のノウハウが必要であり、アクセスの壁の存在を感じています。しかし、この技術の利用を圧倒的に普及させる「RAGの民主化」に向けた取り組みを進めて参ります。」と述べています。

これからの展望

生成AIの利用が進む中で、各企業が直面する課題は多種多様です。セキュリティやコンプライアンス面での懸念も大きく、これらの障壁を越えるための取り組みが求められます。Exa Enterprise AIは、これらの課題に対する解決策の提供を目指しており、いち早い導入が必要です。

今後も生成AIに関するセミナーが予定されており、最新情報や導入事例についての議論が交わされることでしょう。