LLVisionが披露したAR翻訳メガネ「Leion Hey2」
2025年6月、韓国・ソウルで行われた製品発表会にて、グローバルAR技術企業であるLLVisionが、新型のAR翻訳メガネ「Leion Hey2」を世界初で公開しました。このデバイスは、AR(拡張現実)とAI(人工知能)を融合させ、日常生活に革新をもたらすことを目指しています。
Leion Hey2の特徴
Leion Hey2は、ユーザーの視線に合わせてリアルタイムで翻訳を行い、会話内容を字幕として表示します。これにより、国際会議や海外旅行、留学時など、多様な状況でのコミュニケーションがスムーズに行えるようになります。特に注目すべきは、従来の翻訳機やスマートフォンとは異なり、ユーザーは自然な視線を保ちながら会話を進めることができる点です。これは、LLVisionの企業理念「Look up, speak out(上を見て、声に出して)」を具現化した製品でもあります。
同社のCOO、娄身强氏は「私たちのミッションは、コミュニケーションを本来の自然で人的なものに戻すことです」と語り、Leion Hey2の重要性を強調しました。
技術仕様と性能
Leion Hey2は、わずか49gの軽量設計でありながら、高性能も兼ね備えています。業界最先端の光導波路技術を利用し、レンズ厚はわずか0.4mmと非常に薄く、最大2500ニトの高輝度ディスプレイを実現しています。このおかげで、屋外でもクリアに視認することができます。さらに、本体バッテリーは最大8時間の連続使用が可能で、充電ケースを使用することで最大96時間の利用が期待できる点は、まさに「週1回の充電」で済むという利便性をもたらしています。
加えて、LLVisionの360度空間音声認識システムとノイズリダクション技術によって、騒音環境下でも98%の精度で音声内容を識別することができ、翻訳内容は遅延500ミリ秒以内に表示されるため、自然な流れでコミュニケーションが可能です。
デモンストレーションと評価
発表会において、Leion Hey2を装着した約100名の参加者は、英語・韓国語・日本語のリアルタイム字幕でLLVisionの創業者兼CEOである呉斐氏の中国語スピーチを聴くことができました。このデモンストレーションは、Leion Hey2の実用性と翻訳精度を証明し、会場は拍手で包まれました。
LLVisionの展望
LLVisionはこれまでに270以上の特許を取得し、中国の法人向けAR市場で約60%のシェアを得ています。同社の製品は教育、産業、ビジネス領域などで幅広く活用されており、第1世代のLeion Heyは2022年にUNESCOによる「世界十大技術革新賞」を受賞しました。
Leion Hey2の発表により、LLVisionは消費者向け市場においてもAR翻訳技術のリーダーとしての地位を確立し、言語の壁を克服したグローバルなコミュニケーションの実現を目指しています。特に、日本市場へのさらなる拡大を視野に入れ、その可能性を広げる努力を続けています。