潤工社、業界初の0.5 mmコネクタケーブル「MWX0A5」発表
株式会社潤工社(茨城県笠間市)は、業界初となる0.5 mmコネクタを備えた「Junkosha® マイクロ波・ミリ波同軸ケーブルアセンブリ」0シリーズの精密計測用位相安定タイプ「MWX0A5」を開発しました。この革新的な製品は、直流から250 GHzまでの信号伝送が可能で、AIアクセラレーター向けの先進的な半導体チップの開発や、ミリ波・サブテラヘルツ波領域での評価・測定など、幅広い用途に対応しています。
高周波測定のニーズに応える
近年、AIデータセンターや高速通信インフラの急速な発展に伴い、高周波帯域での精密測定が重要性を増しています。この背景を受けて、潤工社は250 GHz対応の位相安定ケーブルソリューションを開発。これが高周波帯での計測精度を高めるための救世主となるでしょう。
次世代モデルの誕生
本製品は、キーサイト・テクノロジーズとの共同開発による新規設計で、次世代高周波測定環境に適応しています。精密設計構造により、性能が一貫して安定しています。なお、DUT(被測定デバイス)に関しては、現時点で0.5 mmインターフェースの標準化はされていませんが、「MWX0A5」は次世代高周波測定システムのコアコンポーネントとして位置づけられています。
技術革新が支える高性能
潤工社のプロダクト・マネージャー小川智広氏は、「MWX0A5」は既存のケーブルや導波管に比べて優れた性能を持ち、DCから250 GHzにおいて信号の反射を抑える高い伝送能力を実現していると述べています。誘電体層には潤工社独自設計のPTFEテープを使用し、250 GHzで約-7 dBの低挿入損失を達成。また、独自開発のセーフティロックコネクタが、安全で確実、かつ高い再現性を持つ接続を可能にしています。
性能評価データとさらなる展望
「MWX0A5」の性能に関するSパラメータ測定データは、実測にもとづく参考値として提供されています。潤工社はミリ波・サブテラヘルツ波帯領域などにおける次世代通信・計測分野で、さらなる高周波・高精度なケーブルソリューションの開発を継続して行い、より高精度で高信頼な測定環境を実現することに貢献していきます。
展示会出展のご案内
2025年11月26日から28日まで、パシフィコ横浜にて開催される「MWE 2025」にて、「MWX0A5」を含む情報通信向けのさまざまなソリューションを展示予定です。ぜひお越しください。
会社概要
潤工社は1954年に設立され、「比類ない価値を創造し、社会を豊かに潤す」ことを理念とし、フッ素ポリマーを用いたハイパフォーマンスポリマーの成形加工を行っています。ワイヤやケーブル、フィルム、射出成形品など、高機能なコンポーネンツ製品を提供しており、医療、半導体、情報通信、環境エネルギー、航空宇宙といった多様な分野でのニーズに応えています。現在、日本国内外に9拠点を持ち、150以上の特許を保有しています。