江東学園幼稚園が新たなSTEAM教育を導入
東京都墨田区の江東学園幼稚園は、浄土真宗本願寺派に基づく100年以上の伝統を持つ教育機関です。この度、株式会社MIRIDEと連携し、未来型のSTEAM教育を本格的に導入することとなりました。STEAMとは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Art)、数学(Mathematics)の各分野を統合した教育手法で、創造的な問題解決能力の育成を目指します。
背景と目的
江東学園幼稚園では、これからの社会で子どもたちが生き抜く力を育てることが必要と考え、STEAM教育の導入を決めました。今や正解を覚えるのみの教育は通用せず、自ら問いを立て、探究する力が求められる時代。そのため、同園は長年積み重ねてきた情操教育の基盤の上に、子どもたちの思考力を育むための新たな取り組みを始めました。
授業の内容
テーマ:雨はどうして降るの?
具体的な授業では、子どもたちの「なぜ?」という疑問に基づいて、実験とプログラミングを組み合わせた探究型のSTEAM授業が行われました。
前半:理科実験
この授業ではまず、雲と雨がどのように形成されるかを見ていきます。お湯と冷たい水を用いた実験を通じて、子どもたちは自らその「しくみ」を体感しました。たとえば、湯気が冷やされることで水滴になる過程を目の前で観察し、自ら体を使って理解を深めます。
後半:プログラミング表現
次に、実験の結果を基にビジュアルプログラミングツールを使用し、雨の形成過程をプログラムします。子どもたちは「お湯 → 湯気 → 雲 → 雨」といった因果関係を自分なりの視点で再構成し、論理的思考を養うことに挑戦しました。
子どもたちの反応と学びの瞬間
実験の中で、子どもたちからは“なんで?”という声が次々とあがりました。その疑問こそが、深い学びのきっかけとなります。実験の結果がうまくいかない子もいましたが、彼らは他の班の様子を観察し、前向きな声を上げ続けました。
次の試みに意欲的に挑戦する姿勢は、まさに探究精神の具現化です。実際の授業後には、自分の知識を他人に伝えたくなる様子が見られ、子どもたちの思考がいかに広がっているかが実感できました。
未来への展望
江東学園幼稚園では、このSTEAM授業を今後も月に1回のペースで続けていく旨を表明しており、毎回異なるテーマを設定し子どもたちの疑問からアプローチします。さらに、園長の岡田真氏は「心の教育」と「探究の力」を融合させながら、未来を見据えた教育実践を目指しています。
終わりに
江東学園幼稚園が導入するSTEAM教育は、未来を担う子どもたちの可能性を広げる一助となるでしょう。今後も同園がどのようにこの取り組みを深めていくのか、目が離せません。子どもたち一人ひとりの「なぜ?」に寄り添う姿勢が、未来の教育の鍵となることでしょう。