立命館大学生が手がけるオーダーメイドDXシステム「Palette」の先行導入が始動
滋賀県草津市に拠点を設ける「株式会社irodori」は、立命館大学の現役大学生、寺田安来氏が代表を務めています。この企業が手掛ける「Palette(パレット)」は、特に小規模な学習塾や教室のために設計されたオーダーメイドDXクラウドシステムです。今回の先行導入二次募集が開始されることにより、さらなる開発が進む予定です。
DXの重要性と教室運営の課題
最近の教育現場では、事務作業が増えすぎて本来の教育に集中できないという問題が指摘されています。「授業以外の事務に追われている」「既存システムでは十分に使えない」といった悩みは、現場における導入の障害となってきました。Paletteは、これらの教室ごとの運営フローに寄り添った形で設計されているため、ユーザーは新しいシステムを学ぶことなく、今までの流れをそのままアプリに反映させることができます。
Paletteのユニークな特徴
Paletteの最大の魅力は、ユーザーの要望に細かく合わせられるカスタマイズ性です。生徒情報や保護者の連絡先、出欠情報、請求・入金といった情報が一つのアプリに集約され、教室の実態に応じた画面設計が可能となります。他のシステムのように一律の機能しかないのではなく、各教室が持つ特有のルールに合わせたシステムを提供します。
さらに、Paletteは段階的な導入が可能です。「まずは振替と入退室の管理から始めたい」といったニーズに応じて、必要な機能から追加していくことができます。こうしたスムーズな導入ができることで、混乱することなく現場に定着します。
AIの活用と開発の流れ
現在、PaletteではAIを活用し、仕様書からコードを生成することで開発速度を向上させています。しかし、個別のルールや例外処理に関しては、専門のエンジニアが丁寧に管理し、品質を保つ努力をしています。これにより、高額な開発コストを抑えながらも、小規模教室でも導入しやすいシステムを実現しています。
料金プラン
Paletteには、大きく分けて3つの料金プランが用意されています。特に注目したいのは、高額な初期費用が不要で、月額制で運用できる点です。具体的には、以下のようなプランがあります:
- - Standardプラン(4,980円/月):小さな教室が必要な基本機能を網羅
- - Advancedプラン(9,800円/月):他のツールとの連携を通じて、より自動化を図りたい方向け
- - Enterpriseプラン(22,000円/月):完全オリジナルの自社アプリを持てるプランで、特に高機能を求める教室向け
今後の展望
立命館大学グラスルーツイノベーションセンター内に本拠を置く株式会社irodoriは、2026年2月に「Palette for Schools」、2026年4月に「Palette for Business」を正式リリース予定です。それに向けた実験的な導入を進める中で、開発コストやトラブルの修正費用を検証し、サービスの向上に努めていく方針です。
今回の先行導入二次募集は、特に教室運営での事務作業の効率化を目指す事業者にとって大きなチャンスとなります。教室の特性を活かしながら、DXを一緒に進めていくための重要なステップとなるでしょう。興味のある方は、募集は12月28日まで受け付けていますので、ぜひお早めに申し込まれることをお勧めします。
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まとめ
「Palette」は、ただの教育システムではなく、地域の小規模事業者が抱える課題に真剣に向き合った結果生まれたオーダーメイドのツールです。教室の運営を大きく変える可能性を持つこのシステムは、現場が本来注力すべき指導に集中できる環境を提供することで、教育の未来に新たな光をもたらすでしょう。