日本の家族の本質に迫る一冊
産経新聞グループの産経新聞出版から、加地伸行の新著『間違いだらけの家族観 儒教で読み解く老い・父性・夫婦・死』が発売されました。定価1210円で、全国の書店やアマゾン等のオンラインショップで購入可能です。この本は、家族の絆をテーマにし、儒教の視点から日本の家族観を深く掘り下げています。
儒教と家族
著者の加地は、儒教研究の第一人者として、長年にわたり家族に関する多くの論考を発表しています。本書では、儒教文化とキリスト教文化がいかに日本の家族観に影響を与えているかを詳述しています。「家族主義」という言葉が示すように、日本の社会は凝集性を重視し、家族間の絆を大切にしています。加地はこの文化的背景を元に、日本独自の「家族のかたち」を再評価するよう呼びかけます。
夫婦別姓論の考察
特に本書では「夫婦別姓論」に対する批判があり、加地はその欺瞞を一刀両断します。夫婦別姓を支持する人々の意見に対して、彼は「家制度への憎悪や個人主義への盲目的な賛美が裏にある」と指摘します。この視点は、家族の絆が失われつつある現代社会に警鐘を鳴らすものです。
加地伸行のプロフィール
加地伸行は、昭和35年に京都大学文学部を卒業した後、高野山大学や名古屋大学、大阪大学などの名門大学で教鞭を執り、現在は大阪大学の名誉教授です。また、多くの著書を持ち、儒教や中国哲学に関する深い知識を有する学者です。これまでの著作では、「孝」や「儒教」の本質について具体的に論じてきました。
目からウロコの考察
本書では、家族の絆の希薄化やその背景にある社会的要因を徹底的に探求しています。「父性」を誤解することが、いかに社会に悪影響を及ぼすかを具体例を交えて解説し、現代の家族のあり方に警鐘を鳴らします。このため、単なる意見表明に留まらず、具体的なデータやケーススタディをもとに施策提言も行っており、現代の問題解決に役立つ内容となっています。
まとめ
加地伸行著『間違いだらけの家族観』は、夫婦別姓論や家族制度の再評価を通して、日本の文化や家族の在り方を見つめ直す必読の書です。儒教の観点から、家族主義の重要性に気づかされる一冊であり、現代に対する鋭い批評が織り込まれています。家族の絆を再考するために、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
この本は、真に日本の家族文化を理解したい人々にとって、目からウロコの読み物となることでしょう。