食感の定量的評価が可能に!最新型オーラルマップスの導入
株式会社明治は、2025年10月より明治アプリケーションセンター(以下、APC)において最新型の咀嚼プロセスシミュレータ「オーラルマップス®」を導入しました。この技術により、食感の評価が定量的かつ客観的に行えるようになります。
APCとは
APCは、「BtoB」商品を活用したレシピやメニュー提案を目的とした施設です。さまざまな食品カテゴリーに応じた食感評価を行い、顧客の課題解決や新市場開拓に向けた提案を実施していく場所です。オーラルマップスの導入によって、これまで主観的に評価されていた「口どけ」や「なめらかさ」といった感覚を数値化し、具体的な評価として提供していくことが可能になります。
オーラルマップスの基本機能
オーラルマップスは、咀嚼時に口内での食品の変化を模擬するための装置です。主に以下の三つの要因を制御します。
1.
歯・舌による圧縮
2.
体温
3.
唾液
このシミュレーターを使用することで、食品の状態を詳細に分析し、評価することができます。「ホイップクリーム」や「チーズ」といった乳製品から、チョコレートやグミのような菓子類まで、さまざまな食品に対応しているのが特長です。
最新型の特長
新たに導入されるオーラルマップスは、力センサーの感度が2倍に高められ、特にホイップクリームのような柔らかい食品を測定するのに最適な設計となっています。また、データ分析のソフトウェアが改良されたことにより、測定から分析に至るまでの速度が向上し、迅速かつ高精度な評価が可能です。
APCにおける新たな研究
2025年8月には、日本食品科学工学会でオーラルマップスを用いた食感研究の新たな成果が発表されました。特に、ホイップクリームに関する研究が注目を集めました。ホイップクリームが口の中でどのように変化するか、その条件を詳細に分析し、評価方法を確立しました。
研究手法
研究では、異なる硬さのホイップクリームを用いて、口どけの良さを官能評価しました。オーラルマップスを使用した測定条件を設定し、「口どけ」の評価指標を算出しました。この結果、特に最大荷重が10Nを下回るまでの時間が口どけと高い相関を示したとのことです。
結果と考察
今回の研究から、オーラルマップスを用いてホイップクリームの口どけ評価が可能になり、消費者の嗜好に応じて柔らかさに達するまでの時間が重要であることが明らかになりました。この技術により、今後は顧客にとっての「おいしさ」をより精緻に提供できるでしょう。
まとめ
明治アプリケーションセンターに新たに導入されたオーラルマップスは、食品業界における食感評価の新しい基準を築くものと期待されます。今後の展開に続いて、さらなる商品開発やメニュー提案が進むことで、より豊かな食文化が育まれていくことでしょう。