動物医療の未来を支える啓発プロジェクトの始動
動物医療の先駆者、株式会社日本動物高度医療センターが新しい啓発プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは、動物たちの二次診療や献血の重要性を広く世間に知らしめることを目的としています。プロジェクトの一環として、イラストレーターのセツサ チアキさんが描いた温かなイラストを使い、命を救うための情報提供に力を入れていきます。
セツサ チアキさんのイラストと動物への愛情
セツサ チアキさんは、愛犬との暮らしや盲導犬に関する経験をもとに、動物への深い愛情を表現してきたアーティストです。彼女の作品は、ペットへの思いを感じさせる温かみを持っており、本プロジェクトのメッセージ「救える命を少しでも増やしたい」と強く響き合っています。このイラストは、訪問したJARMeC川崎本院での光景に触発されて描かれたもので、命を預ける場所への希望と願いを込めています。
動物医療における新たな課題
プロジェクトの施行にあわせて、以下の三つの重要な課題に注目します。
1. 二次診療(高度医療)の認知向上
人の医療と同様に、動物医療にも「かかりつけ医」とより専門的な「二次診療」という役割があります。しかし、残念なことに、飼い主の皆さまにはこの「二次診療」の存在があまり知られていないのが現状です。救えるはずの命が助けられなかったという実際のケースもあり、本プロジェクトでは、このような専門的な医療をより多くの方に理解していただくことを目指します。そのために、全国にある17の獣医科大学病院や民間の二次診療施設についても情報を発信する予定です。
2. 献血文化の醸成
犬や猫にも仲間の命を救うための「献血」の文化が存在します。それにもかかわらず、その認知度は低く、動物医療機関では常に輸血用の血液が不足している状態です。このプロジェクトを通じて、献血の重要性を広め、より多くの方に協力を促すことで、動物たちの命を守るための支援の輪を広げていきたいと考えています。
3. 猫の「かかりつけ医」を持つ意義の普及
猫の飼い主は、犬に比べて「かかりつけ医」を持つ割合が低いとされています。そのため、症状の変化に気づかずに重篤な状況になってしまうケースが多発しています。「言葉を話せない大切な家族だからこそ」の視点から、健康を守るために「かかりつけ医」を持つことの大切さを広める活動にも取り組んでいきます。
プロジェクトのメッセージとイラストの意図
この啓発プロジェクトを通じて発信したいのは、「高度医療」という選択肢を知ることで、飼い主が大切な家族を守ることができるということです。また、献血の文化を広げ、「仲間の命」を救うための協力を呼びかけます。
イラストには、入院中の動物たちに向けた「早く元気になって帰ってきますように」という想いが込められており、動物たちの心温まる日常や、希望を感じる画面が描かれています。
今後の展望
日本動物高度医療センターは、この啓発プロジェクトを通じて、飼い主様の健康意識を高め、動物医療への理解を深める取り組みを続けていく所存です。動物と飼い主様が共に幸せに暮らせるウェルビーイングな社会の実現に向け、貢献していきます。関連情報は、公式ウェブサイトを通じても発信されていく予定です。