コスモエネルギー、バイオエタノールを活用した新国産SAF製造事業開始へ
コスモエネルギーグループの一員であるコスモ石油株式会社が、三井物産株式会社と協力し、バイオエタノールを原料とする国産SAF(持続可能な航空燃料)製造事業を開始することが決まりました。経済産業省が実施している令和6年度の公募事業に採択されたことで、正式にその運びとなります。この新たなプロジェクトは、航空業界のCO2削減に貢献することを目指しています。
SAFの重要性と現状
昨今、航空業界における脱炭素化が急務となっています。特に、SAFはそのCO2削減効果から注目されており、世界的に需要が高まっています。国内外では、廃食用油を原料としたHEFA技術によるSAFの公表が行われている一方で、持続可能な原料の確保という課題があります。
このような中、コスモエネルギーグループは、2025年度から堺製油所で年間約3万キロリットルのSAFを製造・供給する予定です。さらに、坂出物流基地でも2030年以降には年間約15万キロリットルのSAFの製造を目指す計画があります。
ATJ技術の採用
コスモ石油は、米国のLanzaJet社が開発したATJ(Alcohol to Jet)技術を採用します。この技術は、バイオエタノールを原料に触媒反応を経てSAFを製造する手法です。安定した原料供給が期待できるため、今後のSAF需要の増加に対応できる体制を築くことが可能となります。これにより、航空業界の持続可能な発展に寄与することが期待されています。
将来的なビジョン
コスモエネルギーグループは、脱炭素化の潮流の中で気候変動対策を重視しており、あらゆる事業の拡大が重要な課題としています。本事業を通じて、国内でのSAF製造・供給の枠組みを整えるだけでなく、将来的にはさらに大規模な事業展開を計画しています。
坂出物流基地では、既存の資産を活用し、新たなエネルギーソリューションや新事業の可能性についても検討を進めていくとのことです。この大胆な戦略は、国内の航空業界の脱炭素化を加速し、低炭素液体燃料の安定供給に向けた重要なステップとなるでしょう。
このように、コスモエネルギーグループは、未来のエネルギー社会に向けて着実に進歩を遂げています。SAFの製造・供給への取り組みは、持続可能な社会への道を拓くことに寄与する大きな一歩と言えるでしょう。これからも私たちの動向から目が離せません。