岡山大学が新型コロナ後遺症の倦怠感に対する臨床研究を開始
国立大学法人岡山大学の研究チームが、コロナウイルスに感染後の倦怠感に悩む患者を対象にした臨床研究を2024年12月に開始することを発表しました。今回の研究は、全国的に広がるコロナ後遺症という未解決の課題に挑むものであり、特に全身倦怠感に焦点を当てています。
研究の背景と目的
岡山大学病院の総合内科と総合診療科に所属する徳増一樹准教授と大塚文男教授を中心とするチームは、コロナ感染者の中でも特に倦怠感に苦しむ方々が多いことに着目し、患者さんの生活の質向上を目指しています。新型コロナウイルスがもたらす後遺症の中で有効な治療法を見つけ出すことが、この研究の大きな目的です。
研究内容
本研究では、COVID-19感染から1カ月から6カ月以内に診断された18歳以上の患者を対象として、薬剤の有効性を検証します。具体的には、補中益気湯という試験薬またはプラセボ薬を1日2~3回、6週間服用してもらい、その効果を観察します。研究の過程で、服用終了日とその後70日目に患者を再診査する計画です。
期待される成果
研究の結果として、もし薬剤の有効性が示されれば、世界的にコロナ後遺症の症状に対する科学的根拠のある治療法が確立されることが期待されます。また、徳増准教授は「実際に倦怠感で困っている患者さんが多く、治療法の確立ができれば多くの人に貢献できる」と述べ、さらなる医療サービスの向上への期待を述べています。
現在の状況
新型コロナウイルス感染症の流行後、5類への移行から約1年半が経過しており、感染者数は減少していますが、倦怠感などの後遺症は依然として一定数確認されています。大塚教授も「長引く症状の治療薬について貢献できることを期待している」とコメントしています。
研究の資金
この研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて実施されています。これは、医学研究の質を高め、国民への新たな治療法提供を目的としたもので、今回の研究もその一環となります。
お問い合わせについて
研究に関する詳細や、参加希望の方は、岡山大学病院の総合内科・総合診療科にお問い合わせください。研究の成果が期待される中、多くの患者の生活の質が向上することが望まれます。
参考リンク
岡山大学が進めるこの研究は、コロナ後遺症からの回復への道筋を開く重要なステップになることでしょう。今後の動向に注目です。