「Ai GROW India」がインドでの教育支援プログラムとして本格展開
株式会社Institution for a Global Society(IGS)が新たに始動した「Ai GROW India」は、インドの教育現場で非認知能力を測定し、それを育成につなげる支援プログラムです。このプログラムは、経済産業省の支援を受けつつ、非認知能力に焦点を当てた教育改革の推進を目指しています。
非認知能力を測る意義
非認知能力とは、一般的に知識や学力とは異なる、自己認識や感情的知能、社会性などを指します。最近の教育政策である国家教育政策(NEP 2020)では、学力偏重から非認知能力の育成へとシフトしており、その真価が問われています。「Ai GROW India」では、受検者に多言語(英語、ヒンディー語)での測定を提供し、データに基づく教員向けの育成トレーニングもワンストップで行います。これは、現地の多様な教育現場にしっかりとフィットさせるための重要なアプローチです。
実証段階から実装フェーズへ
2025年8月に行われた実証実験(PoC)では、インド国内の2校と連携し、666名の生徒と20名の教員が参加しました。これにより、インドの教育市場における非認知能力の特徴が明確にされました。特に、自己効力感が高い反面、協働性の低さが文化的背景に由来することが分かり、これらのデータは今後の教育方針における指針ともなります。
インドにおける教育の現状
インドの教育市場は、約2.5億人の児童・生徒と147万校の学校を有する世界最大級の規模です。そのため、データ駆動型の育成ニーズは急激に高まっています。「Ai GROW」の評価モデルは、こうしたニーズにしっかり応える形でローカライズされ、教育現場への導入が進められます。プログラムの特徴には、簡便な運用性や、意思決定支援を可能にするダッシュボード機能が含まれています。
今後の展望と持続可能な成長
「Ai GROW India」は、2025年度にかけて段階的に取り組みを拡大する計画です。具体的には、新たなパートナーとの連携を強化し、導入校の数を増やしていく方針です。進捗に関するデータは四半期ごとに公開される予定で、教育効果を高めるための透明性ある運営が求められます。
IGSの代表である福原正大氏は、インドの教育改革を支える意義を強調しています。「測定と育成支援モデルが現地に適応することで、インドの将来を担う若者の非認知能力を育てる」というモットーの下、IGSの取り組みが広く受け入れられることを期待しています。
終わりに
「Ai GROW India」は、単なる教育支援プログラムではなく、インドの若年人口を支える柱としての役割を果たすことが期待されています。今後も、この取り組みがどのように展開していくのか、注目が集まります。教育の質を高めるための新たな取り組みが、日本とインドの教育の未来をつなぐ鍵となることでしょう。