小学校入学後の放課後の過ごし方に関する調査結果
保育士バンク!総研が行った調査によると、未就学児とその保護者が小学校入学後の放課後についてどのように準備しているのかが明らかになりました。特に、保育所や家庭での実態と課題が浮き彫りとなっています。2025年5月24日・25日に日本放課後学会にて発表されたこの調査は、今後の保育の質向上に寄与すると期待されています。
調査の背景
子どもたちにとって小学校入学は大きな転機です。ただし、保育所と小学校の連携は進んでいるものの、特に放課後の過ごし方に関しては課題が残されています。調査では、保護者からの不安の声が多く聞かれており、保育士バンク!総研はその実態を把握するための調査を実施しました。
調査結果の概要
保育所等における準備の実態
調査によると、保育所では小学校入学を見据えた取り組みが多く見受けられます。特に大きな特徴として、9割以上の施設が就学前教育を実施しています。学習や学校生活への適応がメインですが、「放課後」について園児が知り得る機会は少ない状況です。たとえば、園児が「小学校の放課後」について何を知っているのかは、あまり教え込まれていない現実があります。
保護者への不安
保護者へのアンケート結果では、共働き家庭に多く見られる「放課後の安全」に対する不安が特に顕著でした。家庭では下校練習や、安全に過ごすための準備を行っているものの、「子どもだけの留守番」が怖いと感じている方も多かったようです。子どもを放課後に安心して過ごさせるために、保護者自身も悩みながら手立てを考えていることがわかります。
課題分析
この調査結果から見えてくるのは、保育士と小学校間の連携は進んでいるものの、「放課後」に対する具体的な準備や情報共有は不足しているということです。実際、保育士と学童保育の連携は約1割程度にとどまります。他の施設との情報管理が難しい現状が、さらなる問題として浮かび上がっています。
今後の取り組みの必要性
小学校入学直後の子どもたちが快適に放課後を過ごせるようにするためには、保育所や家庭での準備を一層深めていく必要があります。具体的には、未就学児とその家族が「放課後」について知るための取り組み、また保育所と学童保育の連携を強化するための施策が求められます。例えば、保育現場への情報提供や、保育士と学童保育の職員の相互交流を通じて、お互いのノウハウを共有する取り組みが有効ではないかと考えられます。
最後に
この調査は今後の保育業界における大切な指針となることでしょう。子どもの「安全」や「安心」を高めるための具体的な施策が急務となっています。保育士バンク!総研の取り組みが、今後の保育環境や保護者の不安直視の一助となることを期待しています。