ABEイニシアティブの未来
2025-08-21 14:52:46

ABEイニシアティブの成果と未来への道筋を探る国際会議レポート

ABEイニシアティブの成果と未来への道筋を探る国際会議レポート



2025年8月20日、JICA横浜センターで行われた第9回アフリカ開発会議(TICAD9)のテーマ別イベントでは、日本とアフリカの産業界を担う人材育成の未来が語られました。このイベントは、JICA、国際大学、神戸情報大学院大学の共催によりハイブリッド形式で開催され、「ABEイニシアティブのこれまでとこれから~更なる架け橋人材の育成を目指して~」というテーマで進行しました。

ABEイニシアティブの振り返りと発展への期待



このプログラムは、2013年にスタートし、すでに約1,900名のアフリカの若者が日本での研修を受けており、彼らは両地域のビジネスや文化交流を担う重要な「架け橋」になっています。この日のイベントは、ABEイニシアティブの成果、「ABEイニシアティブ3.0」の内容を発表すると共に、今後の展望を示す「ABEイニシアティブ4.0」と、次世代の人材環流促進を狙った「TOMONI Africa」構想が発表されるという重要なものでした。

開会の挨拶では、JICAの三原特別アドバイザーがABEイニシアティブの持久的効果と、日本とアフリカ間の相互理解促進の重要性を強調し、自民党の逢沢衆議院議員も来賓としてこのプログラムへの期待感を表明しました。

さまざまな角度からの成果報告



イベントは主に三つのパートに分かれ、講演やパネルディスカッションが行われました。最初に、JICAアフリカ部の松村計画・TICAD推進課長がこれまでのABEイニシアティブの進展を紹介しました。

続いて、実際に修了生としてアフリカの各分野で活躍している事例が紹介されました。JICA緒方研究所の貝塚研究員は、成功した修了生に共通する特徴として「ポジショナリティ」を強調し、彼らが日本で培った経験を活かして、アフリカでのビジネスやリーダーシップを発揮する事例が発表されました。

また、アセンティアホールディングスの松本取締役は、修了生がアフリカで開店したコインランドリーのフランチャイズの成功事例を紹介。「アフリカの市場のニーズに応えることで、修了生と日本企業が協力し合う事業展開が進んでいます」と語りました。

新たな人材育成方針と国際交流の強化



次に、ABEイニシアティブ4.0の新たな方針が発表されました。松村課長は、今後6年間で3,000名の育成を目指す計画を明らかにし、日本企業とのインターンシップ機会の増加や、日本語教育の充実を図ると語りました。また、TOMONI Africaでは「日本・アフリカ・ユースキャンプ」を通じて双方の人材交流を加速する計画が明かされました。

さらに、戸田国際財団の山内理事長は「アフリカの学生が日本で活躍するための教育機会を創出し、彼らの自信やモチベーションを高めていく」と意気込みを示しました。

パネルディスカッションでの多様な意見交換



後半のパネルディスカッションでは、管理職や修了生、交換留学生が参加し、ABEイニシアティブの影響や双方の連携について意見交換が行われました。修了生らは「プログラムは私たちの人生を変えた」として、異文化理解や自信の向上を実感したと語りました。また、日本人学生は「アフリカでの経験が自分のコンフォートゾーンを広げ、『何でもできる』という気持ちを育てた」と振り返りました。

彼らは日本における教育の重要性や日アフリカ間の架け橋となる人材の育成の必要性についても言及し、「この人材を増やすことで、相互理解が進む」との提言がなされました。

結びに



最後に国際大学の加藤副学長が閉会の挨拶を行い、若者たちが対等な関係で共に学び成長していくことの重要性を強調しました。今回のイベントは、ABEイニシアティブの成功を再確認し、未来へ向けて一層進んでいくための貴重な機会となりました。JICAは引き続き、若者の可能性を最大限に引き出し、日本とアフリカの未来を共に創造する取り組みを続けていく所存です。


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