南部ヒップホップの新たな流れを知ろう!
2025年の発売を控えた『サウス・ヒップホップ・ディスクガイド』が、米南部の音楽シーンを深く掘り下げるためのすばらしいバイブルとなります。本書は、アトランタを中心に発展してきたヒップホップ文化の全貌を、多彩な作品と共に紹介しています。
南部のヒップホップを彩る都市たち
このガイドには、ヒップホップの発展が著しいアトランタや、メンフィス、ヒューストン、ニューオーリンズ、マイアミなど、南部の各都市が持つ独特の魅力が反映されています。アトランタは、2020年にニューヨーク・タイムズによって「ヒップホップの中心地」とも称されたほど。多くのアーティストがこの地からデビューし、その才能を発揮しています。
例えば、アウトキャストやトラヴィス・スコットといった大物ラッパーの名盤が紹介されており、彼らの音楽の背景や特徴が丁寧に解説されています。特にトラヴィス・スコットは、待望の初来日公演が決定したことで、多くのファンが期待を寄せています。
監修者たちの豪華な布陣
本書の監修者には、Lil'Yukichiとアボかどという音楽に深い造詣を持つ二人が携わっています。Lil'Yukichiは、日本国内外で活躍する音楽アーティストで、その幅広いジャンルでの活動から、南部ヒップホップのサウンドの多様性を理解しています。一方、アボかどは、ヒップホップに特化したライターとして知られ、彼のブログ「にんじゃりGang Bang」では、新譜レビューを通じて最新の音楽シーンを追い続けています。
充実した内容構成
『サウス・ヒップホップ・ディスクガイド』は、全体を大きく4つの章に分け、それぞれの時代やテーマに沿った作品とコラムが掲載されています。第1章『Put Yo Hood Up』では、2000年代初頭のサウス・ヒップホップの潮流を紹介し、Lil'Yukichiによるヒップホップ初体験のエピソードも取り上げられています。この章では、メンフィスラップの台頭をメインに据え、当時の音楽シーンを鮮やかに描き出しています。
第2章『Trap or Die』では、2006年から2012年までのトラップ音楽の進化について焦点を当て、アトランタを訪れるヒップホップ・ファンのための観光ガイドも収録されています。
続く第3章『Still in the Paint』では、2013年以降のヒップホップムーブメントが語られ、リル・ウェインの影響やBBQチキンウイングのレシピが楽しめる内容となっています。最後の第4章『Trill O.G.』では、90年代の南部音楽の重要なプロデューサーたちの功績に目を向け、これらの音楽が如何にして現在のサウンドを形成したのかを探ります。
おわりに
『サウス・ヒップホップ・ディスクガイド』は、単なる音楽ガイドを超え、南部の文化や歴史にも深く触れられる一冊となっています。これを通じて、ヒップホップのさらなる理解が深まること間違いなし。音楽好きならば、ぜひ手に入れたい一冊です。2025年5月23日の発売を心待ちにしましょう!