新リース会計基準への取り組みが企業に与える影響とは？

株式会社インボイスが、企業の経理業務担当者を対象に実施した調査により、新リース会計基準への取り組み状況が明らかになりました。2027年4月の義務化に向け、企業がどのように準備を進めているのか、そしてどのような課題が浮き彫りになっているのかを探ります。

調査の概要と目的

このレポートの目的は、各企業の新リース会計基準への進捗状況や課題を把握し、今後の適応に向けた有効な対策を見つけることです。特に、現場の担当者の声を収集し、情報管理の実態を可視化しました。この資料は、企業が業務の理解や改善を図るために役立つ内容となっています。

リース契約情報の管理方法についての現状

調査結果によると、リース契約情報の管理は各企業で多様性がありました。

- 総務部門で独自に保管: 43.5%（81件）
- 会計システムを使用: 34.9%（65件）
- Excelなどの手作業表: 34.9%（65件）
- 拠点ごとにバラバラに管理: 24.7%（46件）

この調査から、手作業による運用や部門ごとの分散管理が多いことが浮き彫りになりました。これにより管理体制が不十分であることも示唆されており、今後は管理方法の見直しや標準化が必要不可欠であると言えます。

開示対応状況の違い

調査結果によれば、企業の開示対応状況にも明らかな差が見受けられました。

- 日本基準で開示済み: 37.1%（69件）
- 内部で検討中: 34.4%（64件）
- IFRSに完全準拠: 18.3%（34件）
- 会計士や監査法人との相談中: 5.9%（11件）
- 特に決まっていない: 4.3%（8件）

もっとも多いのは日本基準での開示を行っている企業であり、多くがまだ検討段階にいることが見て取れます。基準選択を具体化していない企業も多く、本格的な対応に向けた意思決定は進んでいないようです。

当面の対応状況

さらに、現時点での対応状況を見ても、企業は様々な段階にあることがわかります。

- すでに対応済み: 28.5%（53件）
- 準備を進めている: 45.7%（85件）
- 情報収集段階: 19.9%（37件）
- 未着手・予定なし: 3.2%（6件）

多くの企業がまだ準備にとどまっており、情報収集や基準に関する認識の整理が課題となっています。新リース会計基準への対応は、適切な社内体制と運用方法の整備とともに進められる必要があります。

まとめ

この調査から、多くの企業が新リース会計基準に対する準備段階にあり、まだ情報収集に努めていることが分かりました。既に対応を終えた企業もいますが、大半は今後の取り組みについて慎重に進めている状況です。企業にとって、基準適応の進捗状況と共に、今後の方向性を考えるための貴重な情報を提供する本レポートは、一度目を通す価値があるでしょう。

本レポートを通じて、自社の新リース会計基準適応に向けた戦略を見直す機会としていただければ幸いです。レポートの閲覧はこちらから。