業界改革の第一歩となるセミナー
2026年8月の初旬、船井総研サプライチェーンコンサルティングは、東京海上日動火災保険株式会社が主催する「運送会社・物流会社向け 人事制度構築セミナー」にゲスト講師として登壇しました。このセミナーは、最近の法改正「トラック適正化二法」に基づいて、運送業界の人事制度をどう構築すべきかに焦点が当てられました。参加者は多く、関心の高さが伺えました。
背景にある法改正
2025年6月に公布された「トラック適正化二法」では、運送業界の事業者に求められる義務が新たに課されました。具体的には、ドライバーの能力を公正に評価し、それに見合った適正な賃金を支払う必要があります。この法改正は、5年ごとの事業許可更新に影響を及ぼすため、多くの企業がこの問題に直面しているのです。
この法律への適応は、単なる義務ではなく、企業の持続的な成長を促進する重要な過程であることが、セミナー内で強調されました。特に、講座の中で三村信明が語った「能力・スキルに基づく賃金制度の必要性」は、多くの参加者の共感を得ました。
セミナー内容の概要
セミナーは3つの講座で構成されており、各講師が異なるテーマを担当しました。
第1講座:評価賃金制度構築の事例
講師の山田剛弘氏が提供した事例では、ツバメロジスが実践している評価賃金制度が取り上げられました。これは、社員の納得感と会社の成長を両立させるためのアプローチが解説されました。
第2講座:自社に適した人事制度の設計
船井総研の三村氏が担当したこの講座では、企業がどのように自身に適した賃金制度を構築するかに焦点が当てられました。特に、労働時間に基づく賃金から脱却し、業務能力に応じた評価制度の必要性が強調されました。
第3講座:企業防衛と福利厚生の両立
最後に東京海上日動の内田氏が、企業防衛の視点から福利厚生の重要性について言及しました。
参加者の実際の声
参加者からは、現在の賃金体制による悩みが多く挙がりました。具体的には、
- - 同じ仕事をしても全社員が同額の給料になることへの不満
- - 労働時間に比例して給料が決まる仕組みからの脱却を望む声
- - 荷主との交渉結果による歩合給の格差に悩む現場の声
などが寄せられました。
これらの声は、企業が自社の人事制度を見直すきっかけとなるでしょう。
まとめ
セミナーは、多くの運送業界に携わる企業関係者にとって、非常に実りの多い内容となりました。労働環境の改善には、法令遵守だけでなく、社員の能力を公正に評価する新たな賃金制度の構築が不可欠です。今後の運送業界の更なる進展を期待しつつ、私たちもこの動向を注視していきたいと思います。