霧島酒造がClaris FileMakerで全社DXを加速!近代化の成功事例
宮崎県に本社を構える霧島酒造株式会社は、100年以上の歴史を持つ芋焼酎の名メーカーです。「黒霧島」で有名なこの会社が、Claris FileMakerを駆使してデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しているのをご存知でしょうか。この取り組みは、現場主導のアプリ内製開発を通じて、業務の効率化と持続可能なプロセスの改善を実現しているのです。
DX推進の背景
近年、霧島酒造は市場の変化に直面し、事業継続のために変革の必要性を感じていました。2021年の社内アンケートでデジタル化の遅れが見つかり、業務の高度なデジタル化を目指す3つの柱を策定しました。「あじわいDX(製販プロセスの変革)」、「くつろぎDX(顧客体験の向上)」、「ひとづくりDX(従業員体験の向上)」がその柱となり、2022年4月にはDX推進本部が設立されました。
課題と解決法
焼酎製造には、焼酎粕のリサイクルプラントがあり、週に何回も機械整備を行っていますが、旧来の手書きの点検記録は多くの問題を引き起こしていました。現場で記入した情報を事務所で表計算ソフトに転記する作業は時間がかかり、転記ミスや入力漏れなど多くの非効率を生んでいました。
このような課題を解決すべく、現場の担当者がClaris FileMakerを選定。選定理由は、操作性の良さやコストパフォーマンス、内製の容易さにあり、これによりリアルタイムで報告書を作成できる環境が整いました。
導入後の効果
1. 業務の効率化
iPadやiPhoneを活用し、現場で報告書の作成が完結することで、作業の効率が飛躍的に向上しました。特に、点検業務や巡視点検業務において、作業工数が約25%削減されました。
2. 異常の早期発見
アプリには異常値を色付けする機能が実装されており、迅速に問題に気づけるようになりました。これにより、異常の早期発見が可能になり、安全性が向上しています。
3. ペーパーレス化の推進
大別な紙帳票を必要としなくなり、ペーパーレス化が実現しました。これにより、情報の検索性が高まり、過去のデータの比較や分析も容易になりました。
4. 異物混入リスクの回避
電子化により製造ラインに紙やペンの持ち込みが不要となり、異物混入リスクを排除。「FSSC22000」の認証にもつながりました。
5. 新商品開発のサイクル改善
「味わい」のデータをデジタル化し、焼酎の品質評価を迅速に行えるようになったことから、商品開発のスピードが向上しました。
全社的なDXの推進
リサイクルプラントでの成功を受け、FileMakerは全社的に採用される共通のツールとなり、10を超える部署での導入が進んでいます。DX推進本部の主任、財津将平氏は「重要なデータを蓄積し、有効活用するデータドリブンの企業を目指したい」との思いを語っています。
最後に
霧島酒造の事例は、現場主導のアジャイル開発とDXを実現する好例として、多くの企業にとって参考にすべきモデルとなっています。詳しい取り組みや成果については、Clarisのウェブサイトでビデオも公開中です。
Clarisの公式サイトで詳細をご確認ください。
この取り組みにより、霧島酒造は飲料業界に新たな風を吹かせる存在となることでしょう。今後のさらなる展開に期待が寄せられています。