新しい教育プログラム「Positive Learning Program」の発表
2025年6月21日、公益社団法人日本青年会議所(以下、日本JC)は新たな教育プログラム「Positive Learning Program(PLP)」の実施発表会を東京学芸大学にて開催しました。このプログラムは、地域の企業や大人が子どもたちの学びの伴走者として活動し、個性や才能を引き出すことを目的としています。
日本JCはこの新教育プログラムの実証実験を全国のフリースクールや教育機関で推進しており、東京学芸大学、株式会社カナメプロジェクト、NPO法人フリースクール全国ネットワーク、ベネッセ教育総合研究所と協力しています。多様化する学び方や専門性の高い学びの内容、教育者不足といった問題に対処するため、地域が中心となった教育のあり方を模索しています。
実発表会では、全国30カ所で行った実証実験の成果が発表されました。参加校には通信制高校の葵高等学院、新しい学びの形を提案する自学道場ALTS、フリースクールのキャリノバなど多様な教育機関が含まれています。
発表された事例
発表された各教育機関では、地域企業との連携を通じて、教育の現場における新たな試みの成果が示されました。以下は代表的なプロジェクトの例です。
- - キャリノバ(岩手県花巻市)と花巻青年会議所の共同事例
- - 葵高等学院(新潟県長岡市)と長岡青年会議所の連携
- - 自学道場ALTS(岡山県倉敷市)と倉敷青年会議所、玉島青年会議所の協力
これらの事例からは、地域が子どもの教育に関与し、伴走者としての役割を果たすことがどれほどの影響を与えるかが示されました。
地域の教育者との対話
発表会では、教育者と地域企業のメンバーが集まり、子どもの教育における意義や課題について意見を交わしました。議論の中では、教育における伴走者の資質や役割、子どもを中心とした地域社会の重要性が強調されました。特に、地域社会のつながりを活用し、子どもたちの将来への関与がますます必要であるとの合意が形成されました。
今後の展望
PLPは今秋から制度化を目指す予定で、文部科学省や自治体への提言を行う計画です。また、地域の企業や教育機関との連携を進め、「未来に繋がる共育宣言」を全国へ普及させる取り組みも展開していく予定です。さらに、2025年7月20日にはパシフィコ横浜で「サマーコンファレンス2025」を開催し、共育に関するフォーラムも実施される予定です。参加者は誰でも歓迎され、地域の教育に関心のある方々にとって貴重な機会となるでしょう。
まとめ
「Positive Learning Program」は、地域が主体となり新たな教育の仕組みを築いていく試みです。子どもたちの個性や才能を引き出すために、様々な立場の人々が協力し、また新しい学びの環境を提供することで、街全体が子どもに寄り添う教育を実現することが求められています。この発表会をきっかけに、地域の絆がさらに深まり、未来の教育が形成されることを期待しています。