谷川俊太郎のプラネタリウム作品「夜はやさしい」が再上映
日本科学未来館(通称:未来館)で、谷川俊太郎氏が唯一手がけたプラネタリウム作品「夜はやさしい」が2025年7月2日から12月27日まで再上映されます。これは、谷川氏が2009年から2016年まで上映していた作品で、地球各地の多彩な星空や音、そして詩を通じて、私たちの存在を再発見させてくれるものです。
作品の魅力
「夜はやさしい」は、実際に様々な地域の夜空を映し出しながら、それぞれの場所での音や風景を体感できるよう構成されています。谷川氏が自身の詩を通じて、視覚と聴覚の両面から“夜”の世界へ誘います。俳優・麻生久美子さんによる朗読も、この作品の重要な要素であり、彼女の透明感あふれる声で詩が語られます。
作品は、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、南アメリカ、北アメリカ、オーストラリアの6つの地域を旅する設計で、各地の自然の音、人の声、音楽などが星空と共に感じられるようになっています。観客はあたかもその場にいるかのような没入感を味わえます。特に、谷川氏の詩は、各地の“夜のコラージュ”として、作品全体をつなぎ合わせる役割を果たしています。
初公開から16年
初公開から16年が経過しても色あせないこの作品は、子供から大人まで深く心に残ります。プラネタリウム体験は一篇の詩のようで、観客一人ひとりに異なる感動を与えることでしょう。
開催概要
- - 作品名: プラネタリウム作品「夜はやさしい」
- - スケジュール: 2025年7月2日(水)~12月27日(土)
1日1回の上映、開始時刻は16:20(本編は約25分)
- - 休館日: 火曜日(ただし祝日や春夏冬休み期間は開館)
年末年始は12月28日~1月1日
大人940円、18歳以下310円、未就学児100円
※鑑賞には事前予約が必要です。予約は2025年6月25日(水)から可能です。
構想の背景
谷川俊太郎さんの未来館との関わりは、2005年に公開された「暗やみの色」に始まります。その後、自らが構成・演出に関わったこの作品は、彼の詩的視点から見た「夜」を描いています。「耳をすませば文字を忘れる」との言葉が示すように、作品はただの視覚的な体験に留まらず、心の奥深くに響くメッセージを持っています。
未来館でのプラネタリウム体験
未来館のドームシアターは、最新のプラネタリウム投影機「MEGASTAR-Ⅱ cosmos」を使用しており、1,000万個の恒星をリアルに映し出します。本作「夜はやさしい」においては、星空の美しさはそのままでも、没入感を高めるための環境音がしっかりと収録されているのが特徴です。
観覧席に座り、空を見上げるようにドームの中で広がる星空を楽しみながら、心に響く詩を聴く。この素敵な体験は、あなた自身を再発見する旅でもあるのです。
おわりに
再上映が決まった「夜はやさしい」、ぜひこの機会にご覧いただきたいと思います。谷川俊太郎氏の詩と星空が織り成す美しい世界を体感し、自身の存在や地球の広がりを再認識する素晴らしい機会をお楽しみください。