ゼオン、ウシオ電機のマイクロ流路事業を取得し新たな成長を目指す
ゼオン、ウシオ電機のマイクロ流路事業を取得し新たな成長を目指す
日本ゼオン株式会社は、ウシオ電機株式会社が手掛けるマイクロ流路事業の譲受を決定しました。この事業譲渡契約は2025年12月22日に締結され、実際の事業譲受日として2026年2月1日を予定しています。この重要なステップがゼオンの成長戦略にどのように寄与するかを見ていきましょう。
1. 成長分野への加速
ゼオンは中期経営計画「STAGE30」において、特に「医療・ライフサイエンス分野」の成長を意識した新たなビジネス開発を強化することを目指しています。この分野での新規事業の創出に向けて、ウシオ電機からの譲受は極めて重要な意味を持っています。ウシオ電機は、長年にわたり光技術を基盤に高水準の技術力を誇り、幅広いソリューションを提供してきた実績あるメーカーです。
2. クリーンな製品の開発
ウシオ電機が展開するマイクロ流路事業は、特に注目されています。172nmの真空紫外光を使用した独自の接合技術を駆使し、接着剤を使用せずに化学物質が一切含まれないクリーンなマイクロ流路チップを生み出すことが可能です。この技術は創薬や診断分野において、革新的な「Organs on Chip(OoC)」技術の開発に寄与し、医療進歩の一助となるでしょう。
3. ゼオンのポリマー技術
日本ゼオンのシクロオレフィンポリマー製品、たとえばZEONEX®やZEONOR®は、その「低自家蛍光性」「高透明性」「低吸着」「低不純物」という特性で知られています。これらはバイオ医薬品容器や分析デバイス、さらにはマイクロ流路チップなど、多岐にわたる生化学分析用途で非常に需要が高いのです。
ゼオンはシクロオレフィンポリマーを使用した精密成形技術を持っており、その技術とウシオ電機のマイクロ流路事業のノウハウが結集することで、さらなる新製品やサービスの開発が期待されています。これは創薬や診断の新たな事業機会を生み出し続けるでしょう。
4. 持続可能な社会への貢献
ゼオンは、「STAGE30」第3フェーズにおいて2028年には成長4分野からの売上高を48%に引き上げるという目標を掲げています。この成長分野には「モビリティ」「医療・ライフサイエンス」「情報通信」「GX」という4つの領域が含まれ、各分野へリソースを集中していく方針です。
持続可能な社会を目指し、ゼオンは日常生活に不可欠な製品とサービスを提供し続け、より良い未来に向けた取り組みを推進する姿勢を大切にしています。これからのゼオンにますます注目が集まることでしょう。