中古マンション購入時の査定を見直す
最近、中古マンションの購入を希望する人々の間で、「第三者査定やホームインスペクションは本当に必要なのか」というテーマが注目されています。株式会社MEMOCOが実施した調査によれば、103名の中古マンション購入者を対象とした結果が明らかになりました。まずはその調査内容を詳しく見ていきましょう。
調査概要
この調査は2025年1月29日から10月3日まで実施され、103名の男女が対象となりました。参加者は、男性57%、女性46%、年齢層は20代から60代まで幅広く分布しています。特に40代が39%を占めており、この世代が中古マンション購入市場で重要な役割を果たしていることが伺えます。
第三者査定・ホームインスペクションの実施状況
調査結果に目を向けると、実に86%の回答者が第三者の査定やホームインスペクションを実施していないことが分かりました。実施したのはわずか14名、この結果は他の選択肢が存在するにもかかわらず、多くの人が不動産会社の情報に頼っていることを示しています。
実施しなかった理由
実施しなかった回答者からは、以下のような意見が多く寄せられました。
- - 必要性を感じなかった
- - 不動産業者の説明で十分だと思った
- - 費用がかかるから
- - 時間がなかった
- - サービス自体を知らなかった
- - 築浅だったから
特に「必要性を感じなかった」との意見が多数を占め、これには自己判断による安心感が影響していると考えられます。費用面での懸念もあり、識者からの客観的な意見を聞かずとも、売り手の情報を鵜呑みにしてしまう姿勢も見て取れます。
査定費用について
査定を実施した14名のコミュニティでは、費用がどのくらいかかったのかという質問に対して、以下のようなデータが出てきました。
- - 4万円未満:13%
- - 4万円〜5万円未満:69%
- - 5万円〜6万円未満:19%
グラフにすると、最も多いのが4万円から5万円未満という金額で、全体の約69%を占めています。しかし、高めの査定費用は購入総額に比べると比較的少額でありながらも、心理的には追加費用に抵抗を感じる方が多数いるようです。
満足度について
一方で、査定を実施した人たちの満足度は高く、94%が「参考になった」としています。具体的には、「物件の状態や相場を客観的に知ることができた」との声が多く、実施することで見えない部分の劣化や修繕の必要性も理解できたという意見が寄せられています。専門家の視点を取り入れることが、購入の確信へとつながっていることが分かります。
購入後の査定必要性
さらに注意すべきは、購入後に「査定が必要だった」と感じている人が46%も存在することです。この声からも、実際の経験と事前の認識には大きなギャップがあることがわかります。
必要だと思う理由
多くの方が査定の必要性を感じる理由としては、
- - 損を避けるため
- - 専門家の意見は貴重
- - 後から問題が発覚するのを防げる
といったポイントが挙げられました。
不要だと思う理由
しかし一方で、不必要だと感じる理由も挙げられます。中でも「人からの情報で問題がないと判断した」、「自分の判断を信じたい」といった自己依存の意見が目立ちます。物件の状態を良く理解していることが影響していると見えます。
まとめ
この調査結果から、中古マンション購入時に第三者の査定を受けることは、多くの人々にとっては思った以上に重要かつ有益なプロセスであることが浮き彫りになりました。費用は4〜5万円程度で、後悔を避けるための小さな投資と捉えれば、その価値は否定できません。中でも見えない部分のチェックは、将来的な安心感へと繋がり、納得のいく購入をサポートしてくれます。これから中古マンションを検討されている方は、第三者の査定やホームインスペクションをぜひ考慮に入れてみてはいかがでしょうか?