レディクルが描くビジネスマッチングの新時代
日本のBtoBビジネスマッチングサービス「Ready Crew(レディクル)」は、2009年の創業以来、顕著な成長を遂げてきました。その年間取扱予算総額は1,100億円を超え、ただのマッチング件数ではなく、情報の価値を最大化する「換金精度」に成功しています。これはレディクル内部の専門チーム、アカウントリレーション(AR)部門によるものです。
本記事では、AR部門を率いる櫻井弘司氏のインタビューを通じて、「信頼の方程式」という考え方を掘り下げていきます。櫻井氏が一人で40〜50社のクライアントをどのように抱え、質の高い信頼関係を築いているのか、その核心に迫ります。
1. ARの哲学:一円の価値を「受注」で返す覚悟
AR部門の最大の役割は、クライアント企業の営業利益を高めることです。新規開拓を担当するSLが締結した契約を、一過性に終わらせるのではなく、伴走支援を通じて持続的な受注につなげることが求められます。櫻井氏は、以下のように説いています。
「お客様からいただく一円の価値を重く受け止め、サービスという形でお返しすることが最も大切です。私たちは窓口ではなく、クライアントの成功がレディクル自身の成長につながる『循環』を作る役割も担っています。」
この姿勢がARの行動原理となっています。クライアントの期待に応えるため、ARは情報を横流しするだけでなく、クライアントの投資を無駄なコストにしないよう、伴走し続けるのです。
2. 受注をスコープに入れた実務の極意
「レディクルのARは他社に何が違うのか?」この問いに対し、櫻井氏は「受注に向けた支援の広さ」を挙げます。従来のマッチングが「引き合わせ」で終わるのに対し、レディクルはその先まで関わります。ARはクライアントの「社外営業企画室」として機能し、次のような要素を支援します。
- - 営業戦略の共同策定: クライアントの強みやリソースを分析し、アプローチすべきターゲット企業を特定します。
- - 案件の目利き: 各社の特徴を把握し、マッチング率を高めるためのアドバイスを行います。
- - フィードバック: 商談結果を徹底分析し、次回に生かす正直なフィードバックを提供します。
これらの取り組みを通じて、クライアントの成長を支えているのです。
3. 『信頼の方程式』:一人40〜50社のロジック
櫻井氏が提唱する「信頼の方程式」は、次の要素から成り立っています。
- - 深層データの解像度: 相手の経営目標やリアルなニーズを把握した上で、クライアントの強みを活かした案件を選定します。
- - 成功パターンの横展開: 異なる業種の成功分析を行い、一つの成功事例を他社にも応用可能な形で提供します。これにより、各クライアントには40社分の営業実験データを使用できるメリットがあります。
4. 戦略のシンクロとROI最大化
契約開始後、商談データが溜まる中で「戦略の分岐点」を迎えると、ARの重要性が増します。ここでARは、成果を上げる戦略の精度を向上させるため、クライアントの問題点を早期に指摘し、フィードバックする役割をです。これによってROIが最大化されていきます。
5. 属人性を排した「組織資産」
1,100億円の予算を動かすには、単なる個人のスキルだけでなく、チーム全体の知見を共有する仕組みが必要です。リーダーの櫻井氏は、各ARが持つ知見をすぐにチーム全体で活用し、成功確率を上げていくシステムの構築に注力しています。
まとめ: 1,100億円を動かす人間の価値
デジタルやAIが進化し、効率的なマッチングが求められる時代だからこそ、櫻井氏は「人にしかできない価値」を示唆します。クライアントの本音を理解し、徹底したサポートを提供することで、レディクルは単なるビジネスパートナーを超えた存在へと進化しています。これが、年間1,100億円の成果を上げる秘密です。