山梨ジュニアアンバサダープログラム3日目の模様
山梨県の魅力を語れる子どもたちを育てることを目的とした「山梨ジュニアアンバサダープログラム」の3日目が12月15日に行われました。この日は、動物愛護指導センターの見学や、地域清掃センターでの学びを通じて、子どもたちが「命」と「環境」とどう向き合うかを学ぶ重要な一日となりました。
動物愛護指導センターを訪問
午前中、子どもたちは動物愛護指導センターを訪れ、保護された犬たちと向き合いました。そこで感じたのは多くの子どもが思わず口にした「かわいそう」という感情です。しかし、施設の職員からは、山梨県が殺処分を行わない取り組みに移行していることを学びました。この実際の改善が行われていることを知り、感情は「ただの嘆き」ではなく、社会の変化を考える出発点であることに気づいていきました。
「なぜ人が関わり続ける必要があるのか」「命に対してどんな責任を持つべきなのか」この問いを体験を通じて考えることは、子どもたちにとって自分の感情を通じて受け取る大切な教訓となりました。
循環型社会を理解する
午後は、とよとみクリーンセンターを訪れました。そこで、地域から出るごみの処理方法やそれが農業や環境にどう結びついているのかを学びました。生ごみ処理施設の独特な臭いに「くさい!」という声が上がる一方で、「でも、これが畑につながるんだ」「私たちが捨てたものがまた使われるんだ」といった気づきも自然と生まれました。
このように五感を使った経験は、環境問題を身近なものとして捉える力を育てていきます。
学びの成果を社会に提案
道の駅とよとみでは、1日目に作成した「ちぢみほうれん草」のPOPが並ぶ姿を確認し、子どもたちの言葉や工夫が他の誰かの行動に繋がるという実感を得ていました。
そして、夜には県知事へのプレゼンテーションに向けた準備がスタート。これまでの体験を振り返り、「何に気づいたか」「なぜそれが問題だと思ったのか」を整理し、自分たちの言葉で提案するプロセスに挑戦しました。
教育への新しいアプローチ
このプログラムが大切にしているのは、ただ知識を与えるのではなく、感情を動かし、思考を促すことです。体験を通じて子どもたちは、ただの受動的な学びではなく、自らの言葉で社会に提案する力を育んでいきます。
山梨が誇る富士山や果物の魅力だけでなく、地域と社会のつながりを育てること。それこそが山梨の新しい魅力です。
最終日、子どもたちは自ら考えた「山梨をより魅力的にするアイデア」を県知事に提案することになります。それは発表会ではなく、体験から生まれた疑問や気づきを社会に届ける重要な場なのです。
このプログラムを経て、子どもたちは「学ぶ側」から「語る側」へと進化を遂げます。明日、彼らはその一歩を踏み出すことになるでしょう。