リブロファズ®承認
2025-12-22 15:54:48

EGFR変異陽性肺癌に新たな希望、リブロファズ®皮下注が承認

新型皮下投与薬リブロファズ®の承認取得



2023年10月22日、ヤンセンファーマ株式会社は、ライブリバント®の皮下投与製剤「リブロファズ®配合皮下注」が、EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性およびEGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対して製造販売承認を取得したと発表しました。この製剤は、日本国内で初めて承認された皮下投与製剤として期待されています。

リブロファズ®の特長


リブロファズ®は、点滴静注と比較し、数時間の投与時間を数分に短縮できることが特徴です。また、インフュージョンリアクション(IR)の発現率を大幅に低下させ、治療の安全性を向上させる可能性があります。よって、患者さんの療養生活の質(QOL)を改善することも期待されます。

臨床試験の成果


今回の承認は、国際共同第III相試験PALOMA-3と第II相試験PALOMA-2の結果に基づいています。PALOMA-3試験では、局所進行性または転移性の非小細胞肺癌患者を対象に、リブロファズ®とラゼルチニブの併用療法が従来の治療法と比較して有効性、安全性の面で優れた結果を示しました。具体的には、薬物動態の非劣性と共に、初回投与における時間短縮が実現されました。

医療従事者の声


和歌山県立医科大学の赤松弘朗准教授は、「リブロファズ®の承認取得は、患者にとっての治療の負担を大幅に軽減し、医療従事者も安心して使用できる材料となります」と述べ、非常に高い期待感を示しています。また、J&Jの社長クリス・リーガーも、「治療の利便性向上に寄与し、患者さんが安心して治療を受けられる環境を整える」とコメントしています。

なぜリブロファズ®が必要とされるのか


肺がんは、全てのがんの中で最も死亡率が高い病気の一つです。特に非小細胞肺癌(NSCLC)は全体の80~85%を占め、その中でもEGFR遺伝子の変異が重要な治療標的となっています。このEGFR変異を有する患者の5年生存率は依然として低く、リブロファズ®のような新たな治療法の開発が求められています。

今後の展望


リブロファズ®は、今後2024年末にも新たな投与スケジュールの申請を予定しており、さらなる治療の選択肢を提供することが期待されています。また、アミバンタマブとラズクルーズ®の併用療法は、今後の研究によってその有効性がさらに検証されるでしょう。患者さん一人ひとりに合わせた、個別化医療の実現が進む中、リブロファズ®はその一助となる可能性が高いと考えられます。

まとめ


リブロファズ®配合皮下注の承認は、EGFR変異陽性非小細胞肺癌患者にとって、治療方針を大きく変えるひとつのステップです。今後の臨床運用とその成果が、大きな期待を寄せられています。これにより、より多くの患者がより良い治療を受けられるようになることを願っています。


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