漁網リサイクルの現状と未来 海洋環境を守る意識の高まり
2025年11月21日、世界的に重要な「世界漁業デー」が訪れます。この日を前に、リファインバース株式会社が行った全国規模の意識調査が明らかにしたのは、海洋プラスチックごみ問題への関心が高まる一方で、漁網リサイクルの理解がまだ十分でないという事実です。調査は、全国の20歳から60歳の男女を対象に行われ、1,000人以上が参加しました。
調査結果の概要
この調査では、海洋プラスチックごみの原因として漁具が関与していることを知っている人は55.3%という結果が出ました。しかし、漁網リサイクル技術の存在を知る人はわずか25%にとどまりました。これは環境問題への理解が深まってきている一方で、実際の解決策についての認知が低いことを示しています。
興味深いのは、「使い終えた漁網が新しい製品になることを良いと思う」と回答した人が71.3%に達した点です。この結果は、特に50代以上の世代で高い支持を受けており、漁網リサイクルの重要性が多くの人に認識され始めていることを示唆しています。
さらに、69.5%の人が「漁網由来の再生素材を使用した製品があれば選びたい」と回答しました。特にZ世代を含む20代においては、環境に配慮した製品を選ぶ意識が高まり、幅広い世代での支持が得られています。
環境保全への意識
調査では、漁業者が環境保全に貢献するためにリサイクルに協力しているとの認識も広まりつつあります。「良い印象を持つ」と答えた人は78.1%、また「応援したい」との回答は92.1%に達しました。これは、漁業者が海の環境を守る姿勢を多くの人々が共感しているからこそと言えるでしょう。リファインバースグループの取り組みにより、全国の漁業者との協力が進んでおり、回収数も1500トンを超えています。
漁網リサイクルの未来
リファインバースグループは、漁網のリサイクル技術「REAMIDE®」を用い、廃棄された漁網を再生ナイロンとして新たな製品に生まれ変わらせる挑戦を続けています。今後の目標は、さらに多くの産業と連携を模索し、リサイクル素材を活かした製品の供給を広げることです。
コメント
リファインバース株式会社、取締役素材ビジネス部長の玉城吾郎氏は、「漁網は捨てるものではなく、再価値を生み出すもの」と述べています。彼は、事業開始当初に『本当にリサイクルできるのか』という疑念があったことを振り返り、地域の協力によって現在のネットワークを築けたと語っています。調査から分かるように、多くの人々が漁業者の努力に共感しており、より多くの人が持続可能な取り組みに関わる未来が望まれています。
まとめ
海洋プラスチックごみ問題は私たち全員に関わる重要な課題です。調査結果は、多くの人がこの問題意識を持ちつつあり、行動に移すきっかけが生まれつつあることを示しています。今後、漁網リサイクルの社会的認知を高め、環境問題に解決策を提示できるような取り組みがさらに求められます。リファインバースの継続的な努力は、こうした持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩といえるでしょう。