新しいダイヤモンドウエハー
2026-02-02 14:29:15

ダイヤモンドデバイス用新手法で実現する大面積ウエハーの可能性

ダイヤモンドデバイス用新手法で実現する大面積ウエハーの可能性



国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)と株式会社イーディーピーが共同で開発したダイヤモンドデバイス用の新しいウエハー技術が、次世代の高性能半導体デバイスに期待を寄せています。今回の研究は、ダイヤモンドとシリコンの接合における課題を解決し、大面積ウエハーの社会実装に向けた革新的なアプローチを提供します。

ダイヤモンドの特性とその応用


ダイヤモンドは広範なバンドギャップ、高い熱伝導率、優れた耐放射線性を兼ね備えています。これにより、高温での動作が求められるパワーデバイスや、高速スイッチングが必要な先進的な電子機器への応用が期待されています。しかし、大面積のダイヤモンドウエハーの製造が難しいことが、これまでの課題となっていました。

新たな接合手法の開発


研究チームは、多数の小さなダイヤモンドウエハーを大型のシリコンウエハーに貼り付けることで、実用的な大面積ウエハーを実現する新手法を追求しました。このアプローチでは、接合温度を上げることで熱歪みを軽減し、強固な接合を形成することが可能になります。特に、ダイヤモンドとシリコンの熱膨張特性の変化に注目し、600℃以上の高温での接合が熱反りを低減することが示されました。

技術的成果


従来の方法では、異なる熱膨張特性を持つ素材同士の接合で起きる熱歪みが問題でしたが、今回の研究では、1200℃の高温接合を行い、接合時の熱歪みを顕著に低下させることに成功しました。この成果により、ダイヤモンド/シリコン複合ウエハーは、半導体製造プロセスに必要な化学処理や高温処理にも耐えられることが確認されました。

微細加工と生産性の向上


さらに、ダイヤモンド/シリコンウエハーは、汎用的な半導体製造装置を用いて、微細なパターン加工が可能であることが証明されました。百マイクロメートルのパターンが高精度で描画できるため、デバイスの製造効率も飛躍的に向上します。特に、電子顕微鏡による観察結果からも、緻密な接合が確認され、優れた耐久性が期待されることが示されています。

今後の展望


この成果をもとに、さらなる大きなダイヤモンドウエハーの接合プロジェクトや、実際のダイヤモンドデバイスの製作が進められることが予想されています。今後、ダイヤモンドデバイスの社会実装が加速し、さまざまな応用分野への発展が期待されます。

研究論文情報


この研究成果は、2026年2月2日に『ACS Applied Engineering Materials』に掲載される予定です。論文タイトルは「Reduction of Thermal Warpage in Diamond/Si Wafer by High Temperature Bonding」であり、さらに詳細な情報が提供される予定です。

新技術の開発により、ダイヤモンドデバイスの可能性はますます広がっています。最先端の半導体技術が生み出す未来に期待が寄せられる中、ダイヤモンド/シリコンウエハーの開発は重要な一歩となるでしょう。


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