2025年5月29日から9月7日まで、東京・丸の内の三菱一号館美術館において、「オランジュリー美術館 オルセー美術館 コレクションより ルノワール×セザンヌ ―モダンを拓いた2人の巨匠」展が開催される。この展覧会は、印象派の巨匠ルノワールとポスト印象派の大家セザンヌに焦点をあてたもので、画家たちの作品を通じて彼らの芸術的交流と影響を探る。また、南仏プロヴァンスにルーツを持つライフスタイルコスメブランド、ロクシタンがこの展覧会に協力し、訪れる人々にその香りでプロヴァンスの豊かな自然を感じさせる。
ロクシタンは1976年に南仏プロヴァンスで創業し、自然の恵みを用いた製品で多くの人々の生活を彩ってきた。そのコラボレーションにより、本展は香りが漂う中で、ルノワールとセザンヌの作品を楽しめるユニークな体験を提供する。2人の巨匠が愛したプロヴァンスの風景や生活を感じながら、彼らの作品を鑑賞できるのだ。
ルノワールとセザンヌの友情
ルノワールは1882年にセザンヌの住むプロヴァンスのレスタックを訪れ、絵画を共にする中で深い友情を育んだ。ルノワールは社交的で、あらゆる人と親しくなる性格を持ち、セザンヌは逆に人付き合いを好まない内向的な人物であった。こうした出自の違いや性格から、外見的には対照的な2人ではあったが、絵画に対する情熱は共通していた。
以降、1898年からルノワールは南仏での滞在を増やし、1903年にはカーニュ=シュル=メールにアトリエを構え、ここで晩年を過ごすこととなる。セザンヌも故郷のプロヴァンスで生涯を閉じた。この土地は2人にとって特別な意味を持っており、彼らの作品の根源となっている。それぞれは異なる画風で作品を残したが、その背景にはプロヴァンスの鮮やかな自然があったことは間違いない。
モダンアートの誕生前夜
本展では、ルノワールの《ピアノの前の少女たち》やセザンヌの《画家の息子の肖像》などの代表作をはじめ、約50点の作品が展示される。この作品群は、モダン・アートの原点を探る内容となっており、印象派とポスト印象派を代表する2人の巨匠の多様な表現が楽しめる。彼らの影響を受けたピカソの作品も展示され、モダンアートの発展に寄与した彼らの役割を再確認することができる。
香りで感じるプロヴァンス
ロクシタンはプロヴァンスにインスピレーションを受けたフレグランスを提供する。代表的な香りである「ヴァーベナ」は、地元の契約農場で育てられたオーガニックのヴァーベナを用いており、フレッシュで爽快な香りが特徴だ。また、「ローズ」シリーズは、朝に摘み取られたセンチフォリアローズを使用しており、澄んだ透明感のある香りを楽しむことができる。展覧会に足を運ぶ際には、これらの香りと共にプロヴァンスの雰囲気を感じながら、アートを味わうひとときを有意義に過ごせるだろう。
この展覧会は三菱一号館美術館にとって、大きなトピックとなることは間違いない。世界各国を巡回してきた本展は、特に日本において独自の体験を提供するものであり、多くの美術愛好家や観光客を惹きつけることだろう。美術館の開館15周年を祝い、過去と未来のアートを同時に楽しめる貴重な機会にぜひ足を運んでほしい。