Kongと常石造船が手掛ける基幹システムの刷新
Kong株式会社(東京港区)は、常石造船株式会社(広島福山市)の調達システムモダナイゼーションプロジェクトにおいて、APIおよびマイクロサービス基盤の提供を発表しました。このプロジェクトでは、既存の基幹システムを単に刷新するのではなく、業務ドメインごとにデータとシステムの再整理を行い、将来のAIエージェント活用を見込んだ次世代のAPI・マイクロサービス基盤を構築することを目指しています。
背景
常石造船の調達システムは、購買・鋼材発注・在庫管理など多岐に渡る重要業務を支えるミッションクリティカルなシステムです。しかしながら、長年の運用によって複雑化したシステムやドキュメント不足が影響し、従来の手法では刷新のための調査や分析に多大な工数と時間を要する状況が続いていました。こうした中で、同社はグループ経営強化や海外展開のために、より効率的な調達業務の統合や資材コストの最適化が求められていたのです。
AI駆動開発の利点
本プロジェクトでは、さらにScalar社の協力を得て、AIエージェントを用いた迅速な構造分析や技術負債の可視化を実施し、たった2日間で設計整理を完了。これにより、従来想定よりも70%以上の工数削減が見込まれ、初期検討段階の短縮が実現しました。AI-driven開発を活用し、従来の長期化・高コスト化を回避することができました。
計画に基づき、全体の業務プロセスを見直し、9つのマイクロサービスに分割することにより、業務領域ごとのデータをクリアに切り分けます。これにより、AIエージェントやLLMが必要な業務コンテキストに安全にアクセスできる柔軟なアーキテクチャを設計することが可能です。
Kong Konnectの選定理由
採用が決定した「Kong Konnect」は、マイクロサービスを安全かつ管理的に接続するためのAPI基盤です。具体的な評価ポイントは以下の通りです:
- - 堅牢なAPI統合管理:マイクロサービスの認証・認可をセキュリティポリシーに基づいて一元管理。
- - 段階的移行支援:既存から新システムへの柔軟な移行が可能で、Blue/Greenリリースを採用。
- - 高い拡張性:必要に応じてプラグインを追加でき、将来的なAIトークン管理やエージェント連携の実装をサポート。
これにより、常石造船が期待する将来のAI活用を支えるための整ったデータアクセスパスも確立される見込みです。
今後の展望
常石造船は、今回の調達システム刷新を進めることで、さらなる周辺システムへの展開を図り、AI技術を駆使した自然言語による業務支援環境の実現を目指しています。整理されたデータ基盤を生かし、過去データの活用による意思決定の高度化を進め、グループとしてのDX基盤の構築も狙っています。
発表者の声
常石造船の森悟志氏は「変化に即応するためには、ITの内製化が不可欠」と強調し、技術の進展によって開発スピードの向上が期待できると語ります。AI駆動開発により、長年の課題だったシステム刷新が現実となりつつある今、Kong社の有泉社長も「この取り組みはAI時代の象徴」と評価しています。将来的には、製造業におけるデジタルトランスフォーメーションを強力に推進していく姿勢が伺えます。
常石造船とKongの今後の動向に目が離せません。