新たなAIの可能性を引き出す「QoreTune」
株式会社QuantumCoreは、振動異常検知を行うための新しいツール「QoreTune」の提供を始めました。このツールは、同社が開発したリザバーコンピューティング技術を活用したもので、異常検知モデルの性能を最大限に引き出すことを目的としています。
中核となる技術
「QoreTune」は、エッジAIデバイスによる異常検知専門のパラメータ調整ツールです。特に、振動や音響データを基にした異常の検知を行う「VADQore」シリーズの性能を向上させる役割を果たします。このツールの最大の特長は、最短10秒という短時間で生成される学習データをもとにして、高度な異常検知モデルを構築できる点です。
このように、「QoreTune」は、ユーザーが専門知識を持たなくても簡単に操作できる直感的なUIを提供しています。これにより、従来の難しい設定作業を大幅に簡略化し、導入や運用の障壁を取り除くことが可能になりました。
幅広い機能と利用法
「QoreTune」と「VADQore View」というタブレットダッシュボードが連携することにより、データ収集から分析、最適化までの一連のワークフローを実現します。特に、次のような機能を持っています:
1.
データ取り込み機能:正常データや異常データを簡単にインポートし、リアルタイムで分析が可能です。
2.
直感的なUI:専門的なパラメータを視覚的に調整できるよう設計されており、技術者以外でも最適な設定を見つけやすいです。
3.
シグナルタイプ別設定:音声振動などの信号に応じて最適な前処理パラメータが利用でき、幅広い場面での応用が期待されます。
4.
リアルタイムによる精度向上:得られた設定ファイルが自動的にデバイスに適用され、運用データに基づいて常に検知精度を向上させることが可能です。
AI人工知能EXPO2025でのデモ展示
本ツールを紹介するためのデモは、2025年4月15日から17日まで東京ビッグサイトで開催される「AI人工知能EXPO2025」で行われます。このイベントでは、実際の工場設備から取得した振動データに基づく異常検知のリアルタイムデモともに、各種エッジAIソリューションが体験できる機会が設けられています。製造業や設備保全に関わる企業の関係者にはぜひとも訪れていただきたいブースとなるでしょう。
今後の展望
QuantumCoreは、リザバーコンピューティング技術を進化させ、さらに多様なエッジAIの応用を追求していきます。特に、正常データのみに基づく既存の学習手法とリアルタイム判定機能を利用して、様々な産業分野での効率化に貢献する意気込みを見せています。また、オフラインでの運用に特化した異常検知のプロセスをさらに強化していくことも目指しています。これにより、ますます安全性やプライバシーを重視した革新的なソリューションの提供が可能となるでしょう。
今後もQuantumCoreの展開から目が離せません。