アメリカ発の団体旅行ソリューション、リトリート
2022年に設立された「リトリート テクノロジーズ」は、米国・カリフォルニア州に拠点を置き、企業向けの団体旅行ソリューションを提供するスタートアップです。新型コロナウイルスの影響を受け、リモートワークやハイブリットワークの普及により、団体旅行へのニーズが高まっています。このような背景の中、リトリートは企業とホテルの調整を簡素化するためのプラットフォームを構築し、企業人事とホテル営業担当者双方の負担を軽減しています。
提携ホテルの拡大
リトリートのプラットフォームでは、現在2500を超えるホテルが提携しています。これらのホテルは、米国を始めとする84カ国、215都市にわたり、大型ホテルを中心に構成されています。例として、ラグジュアリーな「The Cosmopolitan of Las Vegas」や、ビジネス需要にも応える「ARIA Resort & Casino」、メキシコの「Andaz Mayakoba Resort Riviera Maya」が挙げられます。これにより、企業は世界中の主要なビジネスエリアでの団体旅行を容易に手配できるようになっています。
団体旅行の必要性と課題
コロナ禍以降、企業の働き方が変化し、例えばオフサイトミーティングやチームビルディングの重要性が高まっています。しかし、現行のオンライン予約サイト(例:ExpediaやBooking.com)では、一度に予約できる部屋数が10部屋までと制限されています。このため、企業人事担当者は数百人規模の団体旅行を企画する際、リアルタイムでの空き状況確認や各種見積もりをいくつものホテルに依頼する必要が出てきています。
ホテル業界の人手不足
しかし、ホスピタリティ業界は、慢性的な人手不足やストライキの影響により、対応力が落ちているのが現状です。大量の団体予約の見積もりに関わる手続きは、客室だけでなく、レストランや会議室の予約も含まれ、営業担当者にとって大きな負担となっています。数百名分の宿泊と会場利用を調整するには、手作業での確認が必要で、見積もり確定までに24時間以上かかることもあります。このような業務の遅延やミスが、問い合わせの際にさえ応じられない原因となりかねません。
テクノロジーによる革新
リトリートは、これらの課題を解決するために、団体旅行に特化したプラットフォームを展開しています。ホテル、フライト、スケジュール、参加者の管理を一括で行い、利便性を高めることを目指しています。専用のシステムを通じて、企業は簡単かつ迅速に団体旅行の手配を行えるようになります。さらに、リトリートはAI技術を活用し、業界の非効率さを改善するための新たなソリューションを模索しています。
COOのジャック・タダミ氏は、「日本のおもてなし文化をテクノロジーの力で拡張していくことが私たちの使命です。リトリートを通じて、旅行者、ホテル、旅行業界の皆様がより良い体験を享受できる社会を築いていきたい」と語ります。リトリートは今後さらに提携数を増やし、ホスピタリティ業界の未来を切り開くことに全力を尽くします。
結論
団体旅行を効率化するリトリートの提供するサービスは、企業だけでなくホテル側にも大きなメリットをもたらします。会議やイベントの需要が高まる中で、今後もリトリートがホスピタリティ業界にどのような変革をもたらすのか、大いに注目したいところです。