ペットカートの普及実態と今後の展望
ペッツオーライ株式会社が実施した「ペットカートの利用実態」に関する調査によると、都市部におけるペットカートの利用率は56%に達し、特に多頭飼いの家庭ではその必要性が高まっています。対照的に、地方では認知度が低く、ペットカートの利用が進んでいないことが浮き彫りとなりました。この現状を分析し、今後の展望を考察していきます。
利用率56%の現実
この調査では、全体の56%が「現在ペットカートを利用している」と回答しました。しかし、34.8%は未利用であり、6.6%は購入を検討中、さらに2.6%はその存在すら知らなかったとしています。つまり、約4割が未導入という現状が、ペットカートの普及がまだ途上であることを示しています。
多くの飼い主から寄せられたコメントによると、カフェや百貨店での入店時にペットカートが便利であること、また高齢犬との移動に際しても役立つという意見がありました。
地域別の認知度とニーズ
地域別に見ると、関東や近畿といった都市部ではペットカートの利用率が高いのに対し、東北や九州などの地方では45%や42.7%と低迷しています。地方では「車移動中心で必要ない」や「存在を知らなかった」という声が多く、地域における認知の差が課題となっています。このような状況では、ペットカートが「今後の必需品」として認識されるためにはさらなる啓発活動が必要です。
多頭飼育世帯の必需品
さらに飼育頭数別に見てみると、1頭の飼育家庭での利用率は52%、2頭以上だと70%、4頭以上ではなんと83%に達します。多頭飼いをしている家庭にとって、ペットカートは「なくてはならない道具」であり、高齢の犬を持つ家庭でも特に需要が高いことが伺えます。
若年層の課題
年代別では、60代の利用率が最も高く59.4%となっていますが、20代では「必要性を感じない」「知らなかった」という回答が多く、若年層へのアプローチが課題です。SNSを利用した情報発信や体験機会の提供が有効な手段となりそうです。
大型犬とペットカート
また、大型犬の利用率は22.7%と最低であり、選択肢の少なさがその要因とされています。「大型犬用のカートがない」「持ち運びに適したサイズがない」という声が多く、新商品の開発が求められています。現在の市場では、大型犬向けの製品が不足しており、今後の展開が期待されています。
ペットカートの未来
かつて一部の飼い主にしか利用されていなかったペットカートは、今や社会的な配慮としての重要性が増しています。ペットカートは単なる「おしゃれツール」から「社会マナー」として認識され、今後のさらなる市場拡大が期待されるところです。
利用率の56%という数字の裏には、まだまだ市場の成長余地や新製品へのニーズが存在しています。ペッツオーライ株式会社は、これからもペットとの共生社会の実現に向けて、自治体や事業者と連携しながら情報発信を行っていく所存です。
調査概要
- - 調査対象:Wan!Pass登録ユーザー
- - 調査期間:2025年4月20日~4月22日
- - 回答数:2,577件
- - 調査手法:インターネット調査
ペット関連事業を手掛ける「Wan!Pass」では、さらなる調査依頼を受け付けています。興味のある方はぜひご相談ください。