障害年金不支給問題
2025-06-17 09:15:14

精神・発達・知的障害年金不支給率が急増、両協会が改善求める

精神・発達・知的障害年金不支給率が急増



2023年6月11日、厚生労働省は「令和6年度の障害年金の認定状況についての調査報告書」を公表し、驚くべき事実が明らかになりました。その内容とは、精神・発達・知的障害に対する障害年金の不支給率が、前年の6.4%から12.1%に急増し、約1.9倍に達したということです。この状況を受けて、東京都自閉症協会(理事長:杉山雅治)と発達障害当事者協会(代表:新孝彦)は、6月16日に共同声明を発表し改善を求める声を上げました。

障害年金不支給の深刻な現状



報告書によると、障害年金不支給となる理由として、ガイドラインに定められた基準よりも厳格な判定が適用されていることが多いとされています。特に、精神・発達・知的障害にかかわるケースでは、支給を受けるべき人々のうち75.3%が、下位等級に認定され不支給となっている実情が浮き彫りになりました。この状況は、専門医の診断によって支給相当と見なされたにもかかわらず、何らかの理由で支給が行われないという、看過できない事態を引き起こしています。

東京都自閉症協会と発達障害当事者協会は、この深刻な状況に強い危機感を抱き、厚生労働省に改善と是正を求めて声明を提出しました。特に、精神・発達・知的障害に対する評価基準の見直しが急務であると強調しました。現行の評価基準が、個別性の高い社会的なハンディキャップには対応できていないため、数多くの人々が必要な支援を受けていないのです。

障害年金認定基準の見直しを求める声



精神・発達・知的障害への無理解が、この不支給率の急増に寄与しているという意見も聞かれます。報告書には、就労状況に関する誤解が事件を引き起こしている例が挙げられています。例えば、就労をしているからといって必ずしも経済的な自立ができているわけではなく、逆に多くの支援が必要なケースもあります。このような複雑な事情を反映した評価基準の改定が必要だと、多くの当事者と支援者が訴えています。

候補者の弁護権を守るための法改正



また、障害年金の不支給に関する理由が分かりにくいとし、異議申し立てが事実上不可能になっていることも問題視されています。支給が拒否された際には、理由が具体的で、異議申し立てが可能なレベルに明記されるべきだという要求がなされています。

当事者団体は、これらの改善が行われることで、すべての発達障害者が希望を持って生活できる社会の実現に近づけると信じています。今後、厚生労働省がどのような対応を示すのか、その動きが注視されます。

これまで多くの障害者やその家族は、障害年金の支給を確保するために多大な努力を重ねてきました。この初動として行われた共同声明が、果たして政策を動かすきっかけとなるか、期待が寄せられています。

東京都自閉症協会や発達障害当事者協会は、今後も当事者の声を集め、共生社会の実現に向けて努力を続けていくでしょう。私たち社会全体が、障害に対する理解を深め、支援の道を築くことが求められています。


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