NANO MRNAとSBI証券の提携による新たなビジョン
NANO MRNA株式会社(東京都港区)が、SBI証券およびSBI新生企業投資と事業提携を行い、ヘルスケア分野における革新的コングロマリットモデルを目指すことが発表されました。このパートナーシップは、株式およびファンド機能とバイオベンチャー運営を統合し、次世代型ヘルスケアエコシステムを構築するものです。
提携の意義と狙い
日本のバイオベンチャー業界は、資金調達や事業化において依然として多くの課題を抱えています。IPO(株式公開)に至らない企業が少なくない中、NANO MRNAはこの状況を打破し、資金調達の効率化と事業成長の加速を両立することを目指しています。
これに対応するため、2025年12月には臨時株主総会が開催され、ホールディングス体制に移行、金融サービス分野への本格参入が予定されています。また、新たに設立される投資会社「Nano Bridge Investment」を通じて、SBIと共同でファンド運営を開始し、投資と事業運営の統合プラットフォームを確立する予定です。
革新的なビジネスモデル
この新しいビジネスモデルは、資本配分や事業リソースの統合を行うことで、最適な資源活用と価値創造を実現します。具体的には、RNA創薬や再生医療、AI創薬などの先端技術へ集中投資を行い、全開発段階のパイプラインを支援することでバイオベンチャーの成長を図ります。
さらに、グローバルな事業・金融リソースを駆使し、ヘルスケア事業を展開しながら、ポートフォリオ企業の独立性と柔軟性を維持しつつ、戦略的な連携によって事業価値を最大化することを目指します。
競争優位性と成長エンジン
NANO MRNAの優位性は、投資・事業運営・技術を統合した包括的なエコシステムの構築にあります。これは従来のベンチャーキャピタルや製薬企業が実現できなかった事業変革と成長を加速させる可能性を秘めています。特に、希少性の高い成長企業への戦略的投資により、リターンを追求し、価値創造サイクル全体を支えることで、持続的な成長を目指します。
新しい人材の招聘
このビジネスモデルの実現に向けて、NANO MRNAは新たに有能な人材を招聘しました。チーフインベストメントオフィサー(CIO)には飯野智氏が就任し、チーフグロースオフィサー(CGO)には富所伸広氏が就任しました。
飯野氏は25年以上のファンドマネージャーとしてのキャリアを持ち、国内外のバイオベンチャーへの投資をリードしてきた実績があります。富所氏は日東電工における成功したビジネス戦略を持ち込み、これらの経験を活かしていくことが期待されています。
目標と展望
NANO MRNAは、これらの取り組みにより、今後4年で運用資産300億円、ポートフォリオ企業数においてRNA創薬や再生医療の分野を強化し、1〜2社のIPO創出を目指しています。また、時価総額を500億円から1000億円規模へ成長させることを目指し、持続可能な成長を確実にするための株主還元も重視しています。
まとめ
NANO MRNAとSBI証券の提携により、革新的なヘルスケアエコシステムが誕生し、バイオベンチャーの持続的な成長と日本の医療技術の発展が期待されます。信頼性の高い投資と事業改革を進めることにより、日本国内外問わず、医療の未来が一変するかもしれません。今後の展開から目が離せません。