2026年元旦、ウィーンで開催される「ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート」で、スイスのファッションブランド「アクリス」がデザインするバレエ衣装が披露されます。
このコンサートでは、振付家ジョン・ノイマイヤーの演出によるバレエが上演される予定です。その衣装を担当するのは、アクリスのクリエイティブ・ディレクター、アルベルト・クリームラーです。彼とノイマイヤーは20年以上のパートナーシップを築いており、バレエ、音楽、ファッションへの情熱を共有しています。これまで数々の素晴らしい作品に衣装デザインを提供してきたクリームラーは、2006年のコンサートからノイマイヤーとのタッグを組み続けています。
2026年のコンサートでは、ウィーン国立バレエ団のダンサーが、アクリスがデザインした美しいドレスやスーツを着て、ヨハン・シュトラウス IIによる名曲『南国のバラ』と『外交官のポルカ』に合わせて踊ります。このコラボレーションは、一夜限りの特別なものとなるでしょう。
特に印象的なのは、アルベルトが表現した『南国のバラ』の衣装です。この衣装は、軽やかなシルクジョーゼットとクラシックなシルエットを駆使して、まるで空気のように舞い踊るダンサーの姿を引き立てます。プリーツ加工が施されたパネルやサイドスリットによって、より動きに自由度が与えられており、その美しさは目を見張るものがあります。実際に、ファースト・ソリストのケテヴァン・パパヴァが纏う「バッカラ・ローズ」のドレスは、エメラルドやペトロール、ボトルグリーンのベルベットジャケットを着た男性ダンサーとの対話を生み出し、全体のパフォーマンスを魅力的にしています。
次に『外交官のポルカ』では、音楽のリズムが強調され、アルベルトはウールダブルフェイススーツとストレッチジャージーのタンクトップを端正に著すことで、その音楽的要素を体現しています。このセクションでは、ピンクやクリムゾン、トープ、サンド、エクリュといった豊かな色彩が用いられ、音楽のリズム感と官僚制度のテーマを視覚的に表現します。
クリームラーの哲学は、衣装が単なるコスチュームではなく、そこにパフォーマンスを行うダンサーの個性を際立たせる役割を果たすことにあります。彼のデザインは、古典的な美しさを保ちながらも、時代を超えたモダンスタイルを取り入れており、ノイマイヤーの意義あるビジョンと見事に調和しています。
このコラボレーションも含め、クリームラーは過去20年にわたり、数々の作品でノイマイヤーと手を組んできました。彼の衣装は『ベートーヴェン・プロジェクト II』や『トゥーランガリラ』、そして『エピローグ』など、数多くの作品に「命」を与えてきたのです。
アクリスは1922年にスイスで創業し、目的を持って生きる女性たちを魅了するエフォートレスなファッションを展開しています。近年では、モンゴル産のホースヘアを使用したバッグやアートを感じさせるスカーフなども人気です。アクリスの作品は、世界中の主要都市で販売され、メディアやセレブたちから愛され続けています。
2026年のウィーン・フィル ニューイヤーコンサートは、ファッションと芸術が交わる特別な体験が待っています。その舞台に立つアクリスの美しい衣装からは、無限の可能性と感動が感じられることでしょう。ぜひ、視聴の予定を立てて、特別な瞬間を共に楽しんでみてください。