帝国不動産、AIで入居審査業務を効率化
帝国不動産株式会社(本社:東京都中央区銀座)は、入居審査業務の効率化に向け自社開発したAIプラットフォーム「ACAT」を活用して、確認業務の工数を最大約70%削減する取り組みを進めています。2026年7月から運用を開始したこのシステムは、RAGエージェントを導入し、入居申込時に必要な書類の確認を飛躍的にスピードアップしました。
入居審査業務の課題
入居審査には、さまざまな書類と募集条件の照合が求められますが、これまでは手作業で目視確認していたため、業務の負担が大きく、確認精度や所要時間が担当者の経験に依存しやすい状況でした。不動産市場の繁忙期には、多くの業務が特定の担当者に集中し、混乱を招くこともありました。
このような課題を受けて、現場の担当者が発案を行い、AIX推進室と連携して開発を進めました。4カ月にわたって、実際の審査書類を使用し、テストと改善を重ねてきました。
RAGエージェントによる業務の支援
新たに導入されたRAGエージェントは、審査に必要な書類をPDF形式で「ACAT」にアップロードするだけで、約30秒以内に確認結果を生成します。このシステムは以下の機能を提供します。
- - 書類情報の照合: 申込書や本人確認書類、管理システムの情報を照合し、微細な不整合を発見します。
- - コンプライアンスチェック: 公開情報を基に、申込者や法人代表者に関する情報を整理し、一次確認をサポートします。
- - 本人確認書類の確認: 必要項目のマスキングが適切に行われているかを評価し、個人情報の保護を支援します。
- - 契約条件・承認状況の確認: 賃料や諸費用が募集条件と一致しているか、社内での適切な承認が行われているかを確認します。
この取り組みでは、生成AIを用いており、入力されたデータは生成AIのモデル学習には使用されません。社内のセキュリティポリシーに則った適切な対策を講じています。
効率化の実績
帝国不動産では、年間約15,000件の入居審査を行っています。社内での検証活動では、このAI支援システムを利用することで、平均的に1件あたり約17分の工数削減が実現しています。また、AIが標準化された手順で確認を行うことで、担当者間のばらつきを抑え、誰もが必要な確認を行いやすい環境が整ってきました。
今後の展開
今後、利用状況や確認精度を定期的に検証していくとともに、このRAGエージェントを他の業務にも展開して、賃貸管理業務全体を効率化する方針です。さらに、外部の反社会的勢力チェックサービスとのAPI連携による自動照合機能の実装も計画しており、確認精度を向上させる手続きを継続的に進めます。
帝国不動産はAIと人の役割を明確にし、社員が顧客対応や課題解決など、より付加価値の高い業務に集中できる環境を整えていくことで、顧客満足度を高めながら企業の成長を目指します。
ACATについて
「ACAT」は帝国不動産が自ら開発したAIプラットフォームです。複数のAIを利用し、業務のさまざまな側面をサポートします。特に、業務特化型のRAGエージェントは独自の知識ベースを活用して業務の自動化を図っています。これにより、日常的な業務の効率アップを通じて、企業全体の生産性向上を図る取り組みを進めています。
帝国不動産株式会社について
2026年5月に社名を変更した帝国不動産は、「美しい暮らし方を住まいから」という企業理念のもと、賃貸集合住宅の開発や管理を一貫して行うことを特長としています。データを活用した経営とプロフェッショナルな社員によるサービス提供に力を入れ、地域社会に価値を提供することを目指しています。