テックドクターの挑戦
2025-07-17 12:57:30

テックドクターの新たな挑戦!双極性障害におけるデジタルバイオマーカーの研究発表

研究発表の背景


近年、精神疾患への理解が深まる中で、双極性障害(BD)と呼ばれる病態が再評価されています。BDは、うつ状態と躁状態が交互に現れる疾患で、患者は持続的な症状管理が求められます。特に治療現場では、主観的な評価が重視されていますが、それだけでは限界があります。今回、株式会社テックドクターが第22回日本うつ病学会総会で発表した研究は、この課題に対しデジタル技術の力を借りることで新たな解決策を提供しようとしています。

研究内容の概要


この研究では、双極性障害と診断された40代男性1名を対象に、ウェアラブルデバイス「Google Fitbit Charge6」を使用し心拍数、睡眠、活動量を測定しました。これらの客観データと、気分評価アプリ「eMoods」による主観的な気分データを組み合わせ、双極性障害患者の日常的な感情変化を追跡しました。

特に注目すべきは、心拍変動(HRV)指標であるRMSSDが、抑うつ気分(DM)のスコア上昇に先立って低下する傾向が見られたことです。これは、ウェアラブルデバイスを通じて気分の変化を予測する可能性を示唆する重要な発見です。

具体的な成果


研究期間中に観察されたRMSSDは、対象者の平均値と比べて著しく低い日があり、特にその日は12日間、1週間以内に抑うつスコアが上昇する傾向がありました。この結果は、HRV指標が実際に気分に影響を与える可能性があることを示しています。

対象者はHRV指標の結果を知らず、自己評価を行いましたが、それにもかかわらずデータと気分の関係は顕著でした。この発見は、ウェアラブルデバイスを利用した精神状態のモニタリングの有効性を示すと同時に、従来の治療スタイルへの新たなアプローチの可能性を持っています。

社会的意義と今後の展望


今回の研究は、単独の症例を対象にしたものではありますが、日常的に収集されるデータから得られたHRV指標と主観的評価の関連性は新たな光を当てる研究です。今後は、より多くの症例に基づいた検証を行い、抑うつ以外の症状にも焦点を当てた研究を進める予定です。

テックドクターは、双極性障害を含む精神疾患の客観的なモニタリングを進め、デジタルバイオマーカーの研究開発を通じて個別化医療の実現に貢献し続ける意向を示しています。特に、デジタルバイオマーカーは、健康管理や早期発見に向けた新しい手段を提供することに期待されています。

まとめ


テックドクターの発表は、精神健康に対する理解を深め、より効果的な治療法を模索する中での重要な一歩です。ウェアラブルデバイスを活用した研究は、今後の精神医療における新たなスタンダードとなる可能性を秘めています。私たちは、続報を楽しみにしながら、その進展を見守っていきたいと考えています。


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