千葉県で高校生が医療業界のジェンダー問題を考察するワークショップを開催

ジェンダーバイアスを克服するための探究学習ワークショップ

2025年3月11日、千葉県千葉市の敬愛学園高等学校で、医療業界におけるジェンダーバイアスをテーマにした探究学習ワークショップが開催されました。この取り組みは、ナース専科、朝日新聞社、博報堂の協賛によって実現され、男女18名の高校生と教師が参加しました。

今回のワークショップの目的は、医療業界内でのジェンダーバイアスに対する高い意識を持ち、将来的な人材確保と社会課題の解決につなげることです。参加者の95%が医療と介護業界のジェンダーバイアスについての理解が深まったと感じたとのことで、学生たちにとって非常に有意義な時間であったことが伺えます。

昨今の医療業界のジェンダーバイアスとは

近年、男女どちらも「看護師」として認められるようになった日本ですが、依然として男性看護師の割合は約8.6%と低く、看護職においては女性が多数を占めています。高齢化が進むにつれて、医療従事者への需要は拡大していますが、男性看護師が少数派であるがために、職場環境や人権問題が依然として存在するのが現実です。そのため、このワークショップでは、医療業界の現状と続く課題をテーマにしました。

本ワークショップでは、まずは医療業界における基本知識とジェンダーバイアスの実態を学びました。学生たちから「医師は男性、看護師は女性」という誤ったイメージや、ランドセルの色分けまで至る「性別による偏見」が指摘されるなど、率直な意見が多く寄せられました。これに対して「性別ではなく個人を見てあげるべき」といった解決案が挙げられ、グループディスカッションが進む中でそれぞれの意見がまとまりました。

意見交換の議論の様子

次に、男女別の看護師の役割について話し合われました。たとえば、男性看護師は医師の呼称に反映されるように専門分野に制限される可能性があることなどが議題に上がりました。また、同性看護師への需要があるが、それに対する男性看護師の存在感が不足していることも指摘され、クリエイティブな解決策として「男性看護師の体験談を広めるためのPR」を行うことが提言されました。

参加者の反応

参加後のアンケートからは、約90%の学生が医療・介護への興味が高まったと回答し、医療業界に対する理解が深まったことが明らかになりました。学生たちは、自身が将来進む道に関連した問題を認識し、未来の医療現場における役割について考える貴重な機会となりました。参加者は、「この経験を通じて、医療＆看護の道をもっと深く考えるきっかけになった」と語りました。

今後の展望

ナース専科は、今後も若い世代が医療業界の課題を理解し、積極的に解決策を見出す手助けを続けていくことでしょう。こうしたワークショップは、彼らが将来の医療現場においてより良い社会を築くための礎となることを期待しています。今回のワークショップが刺激となり、医療現場に新しい風をもたらすことに繋がることを願います。