若手社員の勤務先に対する誇りとエンゲージメントの実態
ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所による調査で、若手社員の勤務先企業に対する誇りについての実態が明らかになりました。調査は社会人1年目から4年目の若手社員1,793人を対象に行われ、結果として58.2%が勤務先に誇りを感じていることがわかりました。
誇りの実感とその影響
調査結果によれば、勤務先へ誇りを持つ社員は、勤務を続けたいという意欲が高い傾向が見られました。特に、誇りを「感じる」と回答した57.1%が企業での継続勤務を希望しているのに対し、「感じない」と答えた人の中で継続勤務を希望する割合はわずか3.3%でした。このことから、企業への誇りは従業員の離職意向とも密接に関連していることが示唆されています。
また、誇りを持つ社員は、組織への貢献を自発的に考え、行動する傾向も強く、46.3%が組織への貢献行動を「している」と答えています。誇りの感情は、社員の主体性や意欲を大きく高める要素であると言えるでしょう。
社会人歴と誇りの関係
この調査では、社会人歴が長くなるにつれて、勤務先に対する誇りを感じる割合が低下する傾向が示されました。具体的には、1年目の68.0%が誇りを感じている一方で、4年目には49.2%に減少してしまいます。この移り変わりの背景には、業務の複雑さや企業文化への理解が進む一方で、期待とのギャップを感じる若手社員が増えることが影響している可能性があります。
環境が生む誇りの実感
さらに、企業の職場環境も重要で、安心して発言できる雰囲気が整った職場では、誇りを感じる社員が56.3%に達しました。一方で、発言しにくい環境では誇りを感じる割合が1割を切る結果が出ており、職場の文化が従業員のエンゲージメントに与える影響は無視できません。
エンゲージメント向上の鍵
これらの調査結果を踏まえると、企業は若手社員が誇りを持てる環境を整えることが急務です。以下のような具体的取り組みが効果的です:
1.
意見を言いやすい文化づくり:制度面では意見収集の仕組みを整えること、風土面では上司が部下の意見を尊重することが重要です。
2.
組織貢献への意識を高める:若手社員が自らの業務が組織にどのように寄与しているかを理解できるよう、定期的にフィードバックや評価を行い、組織貢献を可視化することで、誇りを育みます。
3.
学ぶ意欲を引き出す:成長のための期待を明確にし、必要なスキルや知識の習得を促すことで、若手社員の意欲を高められます。
まとめ
若手社員の勤務先企業に対する誇りは、組織の活性化や継続的な成長に寄与する要素であり、誇りを持たせるための取り組みが肝要です。社員が自社に誇りを感じ、主体的に行動することができる職場環境を目指して、企業はさまざまな施策を講じる必要があります。このような努力が若手社員のエンゲージメントを高め、結果として企業の成長につながることでしょう。