医療モール入居診療所の経営実態に関する調査レポート
医療モールの概念が都市部を中心に広がる中、株式会社マゼランメディカルは、医療モールに入居する診療所の経営実態を明らかにするためのアンケート調査を実施しました。これは、医療経済学の専門家である京都府立大学 伊藤研究室の協力を得て行われたもので、調査結果をもとに「国内医療モール経営実態 医師アンケート結果 vol.01」を公表しました。
調査の背景と目的
医療モールは、複数の診療所が同じ建物や近接した施設内に集まる形態で、患者にとって利便性の高い医療の提供を目指しています。しかし、各診療所間の連携や経営状況に関する具体的なデータは限られており、これが医療モールの健全な運営を妨げる要因にもなっています。そこで、マゼランメディカルはこの実態を把握し、経営支援や課題解決に寄与する情報を提供することを目的として調査を行いました。
調査概要
この調査では、日本全国の医療モール入居診療所を対象に、経営状況や転医の実態に関するアンケートを実施しました。回答を得た診療所は45施設で、各診療所の経営状況や運営上の課題に関する貴重な見解が得られました。調査は2025年8月時点のデータに基づいています。
経営状況の実態
調査結果によれば、直近1年間の経営状況は、回答した診療所の60%が黒字で、20%が収支均衡、残りの20%が赤字とされています。また、昨年と比較して改善したとする診療所は37.8%でした。
新規患者の獲得に関しては、月あたりの新規患者数が「100人未満」の診療所が過半数を超えている一方で、再診患者を300人以上獲得している診療所の割合は66.7%となりました。このデータは、医療モールの利用が安定しているものの、新規患者の獲得が大きな課題であることを示しています。
患者の来院経路
新規患者が来院する経路については、インターネット検索が最も多く、続いて患者からの口コミや紹介が次いでいます。一方、立地や通りがかりでの来院は53.3%に留まっており、医療モールの有利な立地が十分に活かされていない可能性があります。
入居のメリットとデメリット
医療モールに入居することで得られたメリットとして、最も満足度が高かったのは「集患効果・認知度向上」であり、次いで「駐車場確保」や「共用設備・機器の利用」が上げられました。しかし一方で、他診療科との連携による患者紹介や集患についての期待は下回る結果となり、入居した際に感じたデメリットも浮き彫りになりました。
診療所間の連携
さらに、医療モール内の診療所間の連携状況についての調査結果では、91.1%が特に連携システムを導入していない実態が明らかになりました。これは、連携を強化し、より効率的な医療を提供することが求められる中での大きな課題です。
今後の展開
この調査の結果は、医療モール経営に関する今後の施策や支援の参考となるものです。マゼランメディカルは、今後も医療モールの経営支援や調査を定期的に行い、業界全体の情報を発信していく予定です。調査結果の詳細は、公式サイトから無料でダウンロード可能ですので、ぜひご活用ください。
公式サイト情報
株式会社マゼランメディカルの公式サイトでは、今回の調査レポートを含む様々な情報が提供されています。興味のある方は、ぜひ以下のURLからアクセスしてみてください。
マゼランメディカル公式サイト。
医療モールの現状や課題を知るための貴重なデータを今後も広めていくことが、皆さんの医療提供に役立つことを願っています。