地方の不動産市場で顕在化する「空き家問題」とその背景

近年、地方における不動産市場が厳しい壁に直面しています。株式会社いえらぶGROUPが実施した最新の「都市集中/地方活性化に関するアンケート調査」の結果からは、特に「空き家が多い」という課題が浮き彫りになりました。都市部への人口流入が進む中、地方には空き家問題が深刻化していることが確認されました。

調査背景と目的

都市部に人口が集中する現状の中、地方では人口減少が進んでいます。このような環境を受け、地方の住まいやまちづくりについての視点が重要視されるようになりました。いえらぶGROUPは、この状況を踏まえ、不動産会社とエンドユーザーへのアンケート調査を実施し、現状を把握しようとしました。

アンケート結果の概要

2つの大きなポイントがありました。
1. 地方の魅力と都市部への魅力
調査によると、地方の魅力には「自然環境の豊かさ」が光り、72％の回答者が地方移住を検討する理由として挙げています。一方、都市部には「交通の利便性」が支持され、69.6％がそのメリットを強調しました。

2. 地方での空き家問題
43.9％の不動産会社が地方の市場で直面している最大の課題は「空き家が多い」という事実です。さらに、賃貸需要や売買ニーズの少なさ、管理や現地対応にかかる手間も課題に挙げられました。

地方移住と必要なインフラ

地方への移住を促進するには、何が必要なのでしょうか。調査結果からは、医療や教育機関の整備が特に重要視されています。具体的には、エンドユーザーの50.8％がこれらの充実を必要だと考えており、次いで「多様な仕事の選択肢」や「移住支援制度の拡充」が求められています。

また、不動産会社からも「交通インフラの整備」や「生活環境の向上」が求められ、これが地方活性化のカギになるでしょう。これにより、地方にも魅力的な住まいが生まれ、移住を希望する人々が集まる可能性が高まります。

業界の見解と展望

いえらぶGROUPの常務取締役である庭山健一氏は、空き家問題や地方での不動産市場の厳しさを指摘しています。都市部の人口集中が続く中で、地方における課題が現実のものとなっています。このため、生活インフラの強化や地域住民と行政の協力が必要とされており、さらには移住支援制度のさらなる拡大が求められています。