米と農家の現状を再認識するセミナー: 未来を考えるきっかけ
2023年3月28日、東京都新宿区で開催されたセミナー「いま知りたいお米と農家の話」は、農文協とパルシステム連合会が共催したイベントです。このセミナーでは、米農家とジャーナリストが集まり、近年の「令和の米騒動」を経た農業の変化や課題について語り合いました。この機会に、米の適正価格や農村と都市の繋がりの重要性について、参加者とともに深く考えることができました。
セミナーの目的
「いま知りたいお米と農家の話」は、1月に発行された同名の書籍の記念イベントで、また、パルシステムが発行する情報誌「のんびる」の読者交流会として位置づけられています。会場とオンラインを通じて、合計61名の参加者が集まりました。
登壇者と議論のテーマ
登壇者は、福島県の米農家・菅野正寿さん、新潟県の米農家・鴫谷(しぎたに)幸彦さん、そしてお米ジャーナリストのたにりりさんです。彼らは、生産者と消費者における米の適正価格、農村の価値、また生産者と消費者どうしの関係について熱く語りました。
鴫谷さんは特に、2024年から続く「令和の米騒動」の背景には「農家不足」があると指摘しました。生産過程で手間がかかる米作りにおいて、消費者がしっかりと理解し、支える姿勢が大切だと強調しました。「米は八十八と表記されるほど手間が掛かるのです。そして、最後の82は『炊く』であり、消費者と生産者を繋ぐ重要な行程です」との意見が印象的でした。
菅野さんは、2011年に起こった原発事故の影響を受けた農業体験をもとに、「棚田オーナー制度」を紹介しました。この制度は農業体験を通じて生産者と消費者がつながる試みで、「集落の力」を育むことの重要性を訴えました。助け合いがなければ、現在の農地を維持することは難しいと危機感を表明しました。
消費者の役割と知識の重要性
セミナーの後、たにさんは参加者に向けて、産地を訪れることで得られる知識の重要性を述べました。「適切な選択をすることが、良い消費者としての役割です。産地を直接訪れたり、良質なお米を選んだり、書籍を通じて知識を深めることで、食を楽しむ気持ちを育んでください」と、呼びかけました。
おにぎりを囲んでの交流
セミナー終了後、会場では登壇者と参加者の交流タイムが設けられました。鴫谷さんと菅野さんが栽培した米を炊き、おにぎりにして参加者とともに楽しみました。おにぎりを食べながら、参加者たちは普段の生活や米作りにおける工夫について話し合い、米の新しい事実や生産者の苦労を深く理解することができました。
書籍と情報誌の紹介
今回のセミナーに関連して発行された書籍「いま知りたいお米と農家の話」には、米不足の要因や米価設定の仕組みなどが記されており、豊凶を繰り返す米作りの歴史を振り返ることで、消費者と生産者の関係の新しい形を提案しています。また、隔月刊に発行される「のんびる」は地域づくりを目指す人々のための情報誌で、さまざまな地域の課題にスポットを当てています。
今後もパルシステムは、地域の人たちをつなげる情報や生活を支える食品を提供し続けていくことでしょう。