荒俣宏が贈る幻想文学の集大成
著名な小説家で翻訳家の荒俣宏氏が、半世紀にわたる幻想文学の翻訳活動を集約した書籍『欧米幻想ファンタジー精華』を発表します。この全四巻のシリーズは、クラウドファンディングプラットフォーム・CAMPFIREを通じて募集されます。
クラウドファンディングの詳細
本プロジェクトは2024年12月23日から2025年1月31日までの期間で実施される予定です。興味のある方は、公式サイトで詳しい内容を確認できます。
書籍の内容
このシリーズは、以下のような多彩なタイトルから成り立っています:
- - 第一巻『妖精の国で』には、ウィリアム・アリンガムの挿絵が含まれ、W・B・イェイツやロード・ダンセイニの新訳が収められています。
- - 第二巻『レノーレ』では、ビュルガーやロゼッティの翻訳作品が登場し、幻想的な物語が彩られています。
- - 第三巻には、エドワード・ベラミーやF・M・クロフォードの異世界冒険譚が含まれており、読者を魅了します。
- - 第四巻では、ウィリアム・H・ホジスンの名作『異次元を覗く家』を取り上げ、コズミック・ホラーの要素を楽しむことができます。
各巻は、四六判で上製、本ケース入りで構成され、第一巻が6,000円(税別)、第二巻以降が5,000円(税別)で販売される予定です。2025年2月からは隔月で刊行が始まります。
荒俣宏の想い
荒俣宏氏は、76歳を迎えた現在、これまでの人生を振り返り、自身の業績を締めくくる意味でもこのプロジェクトをスタートさせました。「英米幻想怪奇小説」という分野への道を歩み始めたのは、中学生時代に恩師・平井呈一氏の翻訳作品に触れたことがきっかけでした。平井氏の影響を受け、長い道のりを経て築いてきた彼の翻訳活動が、いよいよ形を成すこととなります。
荒俣氏は、この集成を「遺言」にも見立てており、作品のデザインやビジュアル資料にもこだわりを持って制作する計画です。春陽堂書店との縁も深く、恩師の足跡を辿りながら自らの集大成を世に残そうとする姿勢は、文壇における古き良き〝文学書〟の重要性を感じさせます。
出版事情が厳しさを増す中でも、彼は「書棚に置きたくなる魅力的な文芸書」に仕上げることを目指しています。
終わりに
荒俣宏氏の新たな試みを通じて、幻想文学の魅力を再発見し、次世代へと伝えていく機会になることでしょう。ぜひこのプロジェクトを応援し、素晴らしい作品の誕生を見守りたいものです。