2025年顧客満足度調査:カラー複合機とカラーレーザープリンター
2025年に実施されたJ.D.パワーの《カラー複合機顧客満足度調査》および《カラーレーザープリンター顧客満足度調査》において、両者の顧客満足度が上昇していることが明らかになりました。これにより、業界全体が改善方向に向かっていることが示されています。
調査概要と結果
今回の調査は、全国の企業を対象にオフィスで使用するカラー複合機とカラーレーザープリンターの利用状況や顧客の満足度を探るものです。2025年の総合満足度スコアは、カラー複合機のラージ&ミドルオフィス市場が671ポイント、スモールオフィス市場が663ポイントであり、カラーレーザープリンターは639ポイントに達しています。この数値は、過去5年間で概ね上昇傾向にあるとされ、特に商品性能と保守サービスの評価が高くなっています。
満足度向上の要因
具体的な要因を見ていくと、「商品」および「保守サービス」ファクターにおいて、それぞれ20ポイント以上の改善が見られました。特に「商品」ファクターにおける評価項目としては、処理速度や故障の少なさが挙げられ、これらの基本性能や稼働品質が向上していることが伺えます。また、保守サービスに関しても修理の発生回数が減少し、多くの企業でリモートメンテナンスの導入が進んだことが寄与しています。
リモートメンテナンスの効果
実際、リモートメンテナンスを利用する企業の約80%が、『迅速で的確な故障対応が受けられている』と感じ、故障の未然防止やダウンタイムの短縮を実感しているという結果が出ています。これは、特に複合機のニーズが高まっている市場にとって、重要な改善要素と言えるでしょう。
クラウド連携の今後の課題
一方で、クラウドサービスとの連携活用状況は依然として伸び悩んでいます。複合機を外部クラウドや業務システムと連携する企業は、おおよそ10%に留まっています。この数字は過去3年間でほとんど変化がなく、クラウド連携機能の普及に向けた努力が必要です。特に、メーカー側には業務効率化や生産性向上の実績を訴求し、セキュリティへの不安を払拭するような啓蒙活動が求められています。
特定業務でのクラウド活用
とはいえ、すでにクラウド連携している企業の中では、「文書管理・保存業務」が52%で最も多く挙がる一方で、「会計業務」も前年比で増加していることが確認されました。これは、最近の電子帳簿保存法の改正が背景にあると考えられます。企業が紙の請求書や契約書類を電子化し、システムに直接連携することで、業務が効率化される方向に進んでいることが示唆されます。
ランキング結果
顧客満足度調査におけるカラー複合機とカラーレーザープリンターのトップは以下のようになっています:
カラー複合機(ラージ&ミドルオフィス市場)
1. キヤノン(679ポイント)
2. リコー(675ポイント)
3. 富士フイルムビジネスイノベーション(673ポイント)
カラー複合機(スモールオフィス市場)
1. コニカミノルタ(684ポイント)
2. キヤノン(676ポイント)
3. 富士フイルムビジネスイノベーション(667ポイント)
カラーレーザープリンター
1. リコー(660ポイント)
結論
J.D. パワーの調査は、顧客満足度が上昇している一方で、クラウド連携の進展には課題が残っていることを示しています。今後、さらなるデジタル化の進行とともに、業務システムとの連携強化が一層重要になってくるでしょう。満足度のさらなる向上に期待が寄せられます。