使用済みココカラピートが果樹栽培に新たな可能性をもたらす
ココカラ合同会社(東京都中央区)は、農業における持続可能性を追求する中で、使用済みのココカラピート(ヤシガラ培土)が果樹栽培に再利用される事例に注目しています。近年、持続可能な農業が世界的に求められる中、同社はその実現に向けた研究をインドの工場で進行中です。特に、国内導入先での果樹栽培への再利用が本格的に始まったことに伴い、自社の公式ホームページで事例インタビューを公開することとなりました。
ココカラピートの特性と果樹栽培への活用
果樹栽培においては、有機質に富み、必要な微量栄養素をバランスよく含む土壌が求められます。使用済みのココカラピートは、窒素やリン酸に加え、カリ、石灰、苦土、ホウ素、マンガンといった栄養素を含み、また排水性と保水性を兼ね備えた土壌を提供します。この条件を満たす環境を作り出すことで、果樹の成長を促す効果が期待されています。
寅福の循環型農業とココカラピート
農業生産法人「株式会社寅福」では、使用済みのココカラバッグで栽培したトマトの残渣を堆肥化し、その堆肥をワイン用ぶどうやアスパラガスの栽培に利用しています。これにより、農業生産と環境保護の両立を目指す循環型農業が実現されています。また、青森県むつ市の新たな農場での大規模トマト栽培は、今後の持続可能な農業モデルとして注目されています。
兵庫県の淡路の島菜園での取り組み
また、兵庫県淡路島では「株式会社 淡路の島菜園」が、観光農園「GREENARIUM」を運営し、イチゴやトマトの栽培にココカラの「グローバッグ」を使用しています。2023年からは新たにメロンや桃、ブドウの栽培にも挑戦しており、使用済みのココカラピートを再利用することで、その持続可能性をさらに高めています。これらの事例は、地域と連携しながらの持続可能な農業の模範となっています。
地域の未来を見据えたサーキュラーエコノミーの推進
ココカラでは、地球環境の保護への意識が高い農作物生産者と連携し、農業を生かしたサーキュラーエコノミーの発展に貢献したいと考えています。SDGsやサステナビリティに則った持続的農業のためには、メーカーと農業者が共に未来を見据えた取り組みを進めることが必要です。今後は新たなパートナーと共に、地域が活性化する持続可能な社会の構築に挑戦していきます。
ココカラの理念と取り組み
ココカラ合同会社は「農業をもっとラクに」というビジョンのもと、ココカラピートを中心とする土壌改良材の開発や販売を行っています。自社の農業資材を通じて、より良い農業環境の実現を目指しており、品質管理を徹底した製品を提供するため自社工場での生産に努めています。現時点で日本国内においては270以上の生産者がココカラの製品を利用しており、その信頼を得ています。持続可能な農業のために、今後も引き続き努力を続けていく所存です。